騎士団長の亡霊からかけられた愛の呪いが悲劇を生む!!藤ヶ谷太輔主演『ドン・ジュアン』を観劇!!②
今晩は、壽々(じゅじゅ)です。
①の続きです。(タイトルを変えました)
※キャスト別にお話しして、ストーリー通りに進まないので
ご注意ください。
開演前、舞台に広がるのはセビリアの石と砂だけの赤い荒野。
開演するとドン・ジュアンに関係の深い4人の男女が登場して
「彼は全てを持っていた。本当に大切なもの以外は」を歌います。
第2場でドン・ジュアン(藤ヶ谷太輔さん)が登場!!
さすがですね。場の空気が変わりました。
美形で格好良く、オーラのようなものも感じました。
胸元の少し空いた黒の衣装で、いかにも稀代の色男「ドン・ジュアン」
という雰囲気を出していました。
歌唱力は?
ほかのキャストは吉野圭吾さん、春野寿美礼さんを始め歌唱力では
定評のあるメンバー。その中にあっても藤ヶ谷太輔さんの歌は
少しも見劣りを感じませんでした。
また、騎士団長(吉野圭吾さん)との決闘、恋敵のラファエル(平間
壮一さん)との決闘のシーン。迫力があって見応えがありました。
騎士団長の亡霊の手引きによって、彫刻家マリアと出会って「真実の
愛」に目覚めるドン・ジュアン。
二人は惹かれあい、永遠に互いを愛することを誓います。
ここで終わればハッピーエンド。しかし、まだ第1幕の最後。
騎士団長の亡霊による「愛の呪い」はまだ解けていません。
第2幕で物語は、最後の悲劇へと向かって展開します。
前に戻って、騎士団長と騎士団の登場。鎧兜に身を包んで重々しい
感じ。ダン!ダン!とステップを踏みます。最初は、タップダンスか
と思ったんですが、そういえば舞台はスペイン。フラメンコですね。
この騎士団長の亡霊が踏むダン!ダン!というステップが後ほど
物語の展開で重要な役割を果たしています。
騎士団長は自分の娘がドン・ジュアンに穢されたと知って激怒し、
決闘を挑むのですが、ドン・ジュアンに敗れて命を奪われます。
そして亡霊となって、ドン・ジュアンに「愛の呪い」を掛けます。
亡霊になった時の騎士団長の顔がゾンビみたいで怖いです。
吉野圭吾さんとは分からないくらい。
騎士団長がドン・ジュアンに掛けた愛の呪いがほかの人々にも影響を
及ぼします。
ドン・ジュアンの唯一の友人でドン・ジュアンの行状を心配する役が
上口耕平さんの演じるドン・カルロ。
ダンサーだそうですが、『ダンス・オブ・ヴァンパイア』や『屋根の
上のバイオリン弾き』などミュージカルへの出演多数。(見たことが
あるかも)
歌唱力は抜群!!ダンスは……見てませんでした。
ドン・ジュアンと対照的に真面目さと誠実さとを併せ持つ紳士的人物。
ドン・カルロの存在がこの物語に一縷の救いをもたらします。
という少し地味な役なのですが、なんか格好いい。
ドン・ジュアンの妻だと名乗ってほかの女達からの嘲笑を浴びる
修道院から来た女エルヴィラの役に天翔愛さん。
天翔愛さんは、今年6-7月の『ロミオ&ジュリエット』で、
伊原立花さんとのWキャストでジュリエット役を演じました。
私は、伊原立花さんのジュリエットの方で観たので、天翔愛さんは
初めて。
エルヴィラは、修道女である純粋さゆえに、ドン・ジュアンの裏切り
に合ってもその愛を信じ続けます。その愛が憎しみに変わるとき、
その憎しみはドン・ジュアンにではなく、マリアに向けられます。
(よくあるパターンです)
それが悲劇を招くとも知らずに……。
この物語を動かしていく重要な役ですので、演技力が求められますが、
それは十分に果たしていたと思います。
歌の方は、マリア役の真彩希帆さんと比べられるとちょっと気の毒です。
そのエルヴィラの目の前から妖艶な踊りでドン・ジュアンを搔っ攫って
(?)いくのが、アンダルシアの美女(上野水香さん)。
元宝塚歌劇のトップスター柚希礼音さんのコンサート『REON JACK 4』
にも出演されていましたが、さすが東京バレエ団プリンシパルの踊り。
セリフも歌もありませんが、踊りだけで惹きつけられます。
今回の衣装ではよく分かりませんが、物凄くスタイルがいいです。
小出しですみませんが、③へ続きます。