妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

月組公演『今夜、ロマンス劇場で』2回目を観劇しました!!②

今日は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、月組公演『今夜、ロマンス劇場で』『FULL SWING!』
を観に、宝塚大劇場まで行ってきました。
友の会抽選方式に落選して、先着順方式で確保したチケット。
23列目でやはり舞台が少し遠い。
今回は2回目の観劇で、大体の内容は分かっているので、どちら
かというと舞台全体を見ていました。


で、前回①の続きです。ストーリーを簡単に最後まで書きます。
ネタバレになります。
※一部、セリフ等に記憶違いがあると思いますがご容赦ください。


ストーリー後半です。


シナリオハンティングの最後に、ライトアップされた藤棚の下
で、健司は「ここで二人は手を繋ぐ」と言って美雪に手を差し
出しますが、美雪は健司の手に触れようとしません。


シナリオハンティングから帰って来て健司の部屋の前まで来た
健司と美雪。
健司が「二人はここで口づけを交わす」と言うと近くの電話ボ
ックスに入って窓ガラスに顔をくっつける美雪。健司が外側か
ら窓ガラス越しにキスしようとすると美雪は「間抜けな顔だな」
と笑いながら電話ボックスから出てきます。
健司は美雪とのことを映画にしたいと告げます。映画の結末を
尋ねる美雪に、絶対にハッピーエンドと答え、健司はシナリオ
を書くために自分の部屋へ帰っていきます。
一人残った美雪の前に電話ボックスから三獣士が現れ、美雪に
王国に帰ってきて欲しいと懇願し、また、電話ボックスから帰
っていきます。
そこへ、健司に想いを寄せる社長令嬢の成瀬塔子が姿を見せ、
健司と美雪は付き合ているのか、恋人同士ではなのかと疑いま
すが、美雪はただの遠い親戚で東京に来ているのだと、嘘をつ
きます。


部屋でシナリオを書いていた健司、いつの間にか眠てしまって
います。
健司が目を覚ますと、押し入れから物音が……。大蛇丸が美雪
を取り返すため、押し入れから従者を引き連れてやってきます。


美雪はこの世界では幸せにはなれない……。大蛇丸は健司にその
理由を語ります。
それは、映画の中の美雪が現実世界に来るための代償。美雪が現
実世界の住人に触れると美雪は消えしまう、というものでした。
しかも、現実世界の人間は歳を取るのに美雪はいつまでも若いま
ま。老人と美女、醜悪だな、と大蛇丸は健司に言ってまた押し入
れから戻っていきます。


スクリーンから現れた美雪の手に健司が触れようとした時、美雪
が健司の頭をラムネ瓶で殴ったのも、美雪が健司と手をつなごう
としないのも、美雪が電話ボックスの窓ガラス越しに健司とキス
しようとしたのもこのため。
健司はそれを知り、自分には美雪を幸せにすることが出来ないと
思い悩みます。
一方の美雪も社長令嬢の成瀬塔子が健司に想いを寄せていることを
知って、健司の幸せを願い、「世話になったな」と言って健司の部
屋から出ていきます。


数日後、健司が撮影所へ行くと、社長から健司が書いたシナリオを
気に入り映画化することに決定したと告げられます。同僚の山中伸
太郎は、健司を祝福し、自分は映画を諦め故郷へ帰って豆腐屋を継
ぐと健司に伝えます。
しかし、健司のシナリオのラストシーンはまだ白紙で完成していま
せん。
ダイナマイトの爆発事故から復帰した映画スターの俊動龍之介は、
美雪のことで思い悩む健司にロマンス劇場の前で美雪の姿を見たと
健司に話します。そして、悲しげに空を見上げ「健司」と呟いたと
も。
美雪の健司への想いを悟った龍之介は、健司を諭し、健司を美雪の
許へ向かわせます。
ロマンス劇場の席に一人座っていた美雪のそばに近寄る健司。一緒
に帰ろうとしますが、美雪は首を横に振ります。
美雪が代償を払ってまでスクリーンの外に出てきたのは、段々と観客
が減っていく中で、一人だけいつまでも笑顔で自分の映画を観てくれ
る健司に会いたかったから。そして、健司に抱きしめて欲しいと……。
しかし、健司は、たまには俺のわがままを聞いて欲しいと美雪に言い
ます。健司は、たとえ触れ合うことはできなくても、ずっと一緒に暮ら
したい、美雪を幸せにしたいと……。そして、健司は美雪に指輪を手渡
し、美雪は嬉しそうにその指輪を自分の指に嵌めます。健司はハンカチ
を取り出し、その両端を健司と美雪のそれぞれがつかんで、幸せそうに
健司の部屋へと帰っていきます。


そして長い年月が経過。健司は、撮影所の助監督を辞め、ロマンス劇場
で勤めることに。京映倒産の記事も。


場面は、再び冒頭の病院。
ベッドに横たわっているのは、すっかり歳を取って老人になった健司。


一方、病院の廊下(舞台の上手)で健司の書いた映画のシナリオを読ん
でいた看護師は、シナリオの結末が書かれていないことに気づきます。


健司の容態が急変し、医師と看護師が駆けつけますが、もう助かる見込
みはなく看護師は家族を呼ぶことに。
健司の病室に入ってきたのは、若い姿のままの美雪。映画の中の人物
である美雪は歳を取らず、看護師たちに健司の孫娘と間違えられてい
たのでした。「牧野美雪」……看護師たちは名前を見て驚きます。
看護師に二人だけにしてくれと頼んだ美雪は、健司のベッドの傍らに座
ります。そして、二人が始めたいつものあそび。美雪が赤いものはと問う
と、健司は赤い風車と答えます。次にきれいなものはと問うと、健司は二
人で見たきれいな数々の光景の思い出を語ります。


そして、最後に美雪は最後のわがままを聞いてくれと健司に頼みます。
健司の手に触れてそのぬくもりを感じたいと……。そして、こんなに温
かいんだな、と言って健司の手を両手で握ります。


健司は息を引き取り、美雪の姿も消えます。


テーブルの上のシナリオに気づき、読んだ看護師が驚きの声を上げます。
シナリオの結末がハッピーエンドだと。


そして、映画の中のモノクロの世界。お城の広間には大勢の人々が集ま
っています。

その中には、若い頃の俊藤龍之介の姿やロマンス劇場の本多正、京映の
社長。その令嬢・成瀬塔子と山中伸太郎は並んで立っています。その前に
は、大蛇丸の姿も。そして、一番奥には若くて美しい美雪の姿が……。
皆誰かを待っている様子。
その中を画面手前から美雪に向かって歩いていく宮廷服姿の男。それは、
若い時の姿そのままの健司でした。健司は、後ろ手に1本の薔薇の花を持っ
て人々の間をゆっくり歩いていき、美雪の許にたどり着いた時、ひざまづい
て、その薔薇を美雪に差し出します。薔薇を美雪が受け取った時、その花び
らが真っ赤な色に染まり、そこから美しい色の世界がモノクロだった世界に
広がっていきます。
最後に腕を組んだ美雪と健司は、人々の間を正面まで歩いてきてそこでキス
をします。幸せそうに微笑む二人。


ここで、幕が下ります。


というようなストーリーで、最後の病室の場面あたりから、周囲で鼻水を
すすり上げる音が聞こえ始めます。


私の拙い文章では余り感動は伝わらないとは思いますが(多少端折って書い
ています)、誰もが楽しめるロマンティックコメディーです。


そして、「芝居の月組」の本領発揮といったところでしょうか。
それを見事に引き出した演出家の小柳奈穂子先生の手腕に脱帽です。


なお、前回①の記事を載せておきます。