妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

宙組公演『NEVER SAY GOODBYE』の「スペイン内戦」の「内戦」とは?について

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


今回は、ちょっと固い話になります。


宙組公演『NEVER SAY GOODBYE』を
観劇して、現在進行中のロシアのウクラ
イナ侵攻と結びつけた方が、結構、多い
ように思いました。


それはそれで、いいことだと思うのです
が、双方の戦争は同じ戦争でも性質が少
し違います。


「スペイン内戦」は、スペインの国内で
人民戦線政府軍と反乱軍に分かれて、ス
ペイン国民同士が戦った点で、国家間の
戦争であるロシアのウクライナ侵攻とは
性質の異なる戦いです。


もう少し詳しく書きます。
(参考資料:ウィキペディアなど)


まず、「内戦」は、「国家の領域内で対
立した勢力によって起こる、政府と非政
府の組織間の武力紛争を指す。」とされ
ていて、一つの国家の中で同じ国の国民
が敵と味方に分かれて戦うところが一般
的な「戦争」と異なります。


現在起こっている「内戦」としては、「シ
リア内戦」がありますし、有名なものとし
てはアメリカ合衆国の「南北戦争」があり
ます。


一方、ロシアのウクライナ侵攻は、一つの
国家の中で起きた戦いではありません。


ウクライナは、主権国家(他に従属するこ
となく、独立した政治運営が行われている
国家)であり、そのウクライナに対し、隣
の国であるロシアがウクライナとの国境を
越えて大規模な軍事侵攻したのが、今回の
戦争です。


「戦争」とは、「国家が他国に対し、自己
の目的を達するために武力を行使する闘争
状態」をいいます。
したがって、ある主権国家と別の主権国家
との間で起こるのが「戦争」です。


その大規模なもので、複数の国家間で行わ
れた戦争が第一次世界大戦と第二次世界大
戦です。


第二次世界大戦(1939年~1945年)は、
「スペイン内戦」(1936年~1939年)の
直後にナチス・ドイツとソビエト連邦の
両国のポーランド侵攻を発端として始ま
りました。


今回のロシアのウクライナ侵攻は、第二
次世界大戦の発端となったナチス・ドイ
ツとソビエト連邦の両国のポーランド侵
攻に似ています。


一方、日本で起きた「内戦」としては、
戊辰戦争(1868年~1869年)と西南戦争
(1877年)があります。


戊辰戦争は、新政府軍と旧幕府軍・奥羽越
列藩同盟・蝦夷共和国が戦った日本最大の
内戦です。
それでも、両軍の総兵力はそれぞれ、せい
ぜい8000人程度です。日本の国民が大きく
二つに分かれて戦ったというわけではあり
ません。
10万人以上の規模の兵力で戦った「スペイ
ン内戦」とは比べようもありません。


日本国内が戦場になったのは、第二次世界
大戦が最後。
それも70年以上の年月が経過し、経験して
いる人も少なくなりました。


「スペイン内戦」は、第二次世界大戦より
もさらに前の出来事で、しかも、日本から
は遠いヨーロッパでの「内戦」の話。


宙組公演の『NEVER SAY GOODBYE』と
いう作品が私達日本人にとって分かりづら
いのは、そこに一つの理由があるように思
われます。


なお、「内戦」を扱った宝塚の作品として
は、「南北戦争」は『風と共に去りぬ』、
「スペイン内戦」は『誰がために鐘は鳴る』
などがあります。


ということで、なぜ『NEVER SAY GOOD
BYE』が、名作ミュージカルなのに、今ひ
とつ人気がないのか?という話に続きます。