妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

お気楽、娯楽時代劇 雪組公演『夢介千両みやげ』楽しいよー!!①

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日宝塚大劇場で観劇した『夢介千両みやげ』
のコメントです。


原作は、『桃太郎侍』の山手樹一郎の作品です。
ということで、痛快娯楽時代劇となっています。


ストーリーは、公演プログラムのものを記載して
おきます。


ストーリーです。


桜満開の東海道を、股旅・三度笠姿の夢介という
若者がのんびり江戸へと向かっていた。相州小田
原・庄屋の息子である夢介は、父親から千両を貰
い❝通人❞となるため道楽修行へ出掛ける途中であ
る。江戸までわずかな宿場町で、夢介は旅姿の女
に声を掛けられる。悪い男に付けられている為、
今夜だけ一緒に泊まってもらえないかという女の
頼みに、これも道楽修行の一つと、夢介は宿場を
同じくするのだった。実はその女、❝オランダお銀❞
と呼ばれる名うての道中師(スリ)で、懐具合の
良さそうな田舎者、夢介を狙ったのだ。翌日、金を
盗まれたことを知った夢介は、怒るどころか面白い
芝居を見せて貰った見物料と思えば安いものだと、
百両をそのままお銀に渡してしまう。夢介の朴訥で
底抜けな優しさに触れたお銀は、一目惚れ。江戸に
着いた夢介は、押しかけ女房とばかりに世話を焼く
お銀と奇妙な同棲生活を始める。
ある時、夢介は道楽修行の資金を預けている飛脚問
屋・伊勢屋を訪ねる。若旦那の総太郎は、名の知れ
た遊び人。❝通人❞の遊びを教えてやろうと総太郎に
誘われるまま、夢介は深川の茶屋・五明楼を訪れる
が、ある出来事に巻き込まれてしまい……。
次から次へと起こる騒動を❝金と優しさ❞で解決して
いく日本一、お人好しな夢介の道楽修行の結末は!?
そして、善意の若者、夢介との出会いが人々にもた
らしたものとはー。


コメントです。


千両貰って小田原から江戸へ道楽修行をしに行くとい
うと、普通ふざけやがって、という気になるのですが、
彩風咲奈さんの夢介は、むしろ、好印象を与えます。
夢介の話す「だべ」という小田原弁もいかにも朴訥な
好青年という感じがします。


しかも、夢介はお銀(朝月希和さん)を始め、自分を
騙そうとする人達にも気前よくお金を渡してしまいま
す。


そんな夢介に、お銀だけでなく他の女たちも惚れてしま
います。
ですが、こと女に対しては、夢介は、誘惑されても手を
出そうとしません。江戸で同居するお銀に対しても、小
田原に戻って婚礼が済むまでは、と言います。
今時(今時ではありませんが)、珍しい超真面目人間で
す。


ということで、夢介はあまり格好いいという役ではあり
ませんが、彩風咲奈さんには合っている役だと思います。
一応、腕っぷしも強いということで、最後の方では、悪
党一味との立ち回りもあります。
が、全体としては緊張感なくのんびりとお話は進行します。


ところで、股旅姿の夢介が下に落ちている自分の三度笠を
拾う時に、つま先を三度笠の端に懸けて、三度笠を立てて
拾い上げるところは(多分2回くらい)、ちょっと格好い
いです。


江戸で登場するのは、飛脚問屋・伊勢屋の若旦那の総太郎
(朝美絢さん)。「なんせこの顔 この器量 もてて も
てて しょうがない」と歌いますが、言うほどもてていな
い様子。「通人」ぶって、「~でげす」と言いまくる下衆
野郎。深川の茶屋のツケも夢介に肩代わりしてもらうし、
伊勢屋の女中のお松(野々花ひまりさん)には手を付ける
し、美人局(つつもたせ)の悪七(綾凰華さん)とその
女房のお滝(希良々うみさん)の手口にはひっかるし(ち
なみに夢介も引っかかっています)、もう、どうしようも
ないダメ男です。という役を朝美絢さんがいかにもそれら
しく演じていて好演です。


一方、ちょっといい役が、遊び人の金の字(縣千さん)と
剣術道場練兵館の剣客斎藤新太郎(諏訪さきさん)、斎藤
新次郎(一禾あおさん)の三人。
夢介が旅籠でお銀に盗まれた金百両をお銀から奪い返して
くれます。
また、最後の悪党一味との立ち回りでも夢介、お銀の手助
けをします。


実は、この三人、実在の人物です。


金の字の正体は、旗本遠山金四郎(後の北町・南町奉行)。
斎藤新太郎・新次郎兄弟は神道無念流の剣術道場練兵館を
開いた斎藤弥九郎の息子。
この人たちの登場からこの物語の時代が江戸末期であるこ
とが分かります。


ということで、いつものことで済みませんが、他の配役に
ついてのコメント等は、②に続きます。