雪組公演『夢介千両みやげ』のセリフの「だべ」は小田原弁で、「げす」は江戸の言葉?
今日は、壽々(じゅじゅ)です。
昨日は、雪組公演『夢介千両みやげ』『Sensational!』
を観に宝塚大劇場に行ってきました。
その感想は、別の記事で書くとして。
観ていて気になったのが夢介(彩風咲奈さん)の「だべ」
という田舎訛り。いくらなんでも小田原出身で「だべ」
はないだろう、と思って観ていましたが、後で調べてみる
と、小田原の方言で「だべ」と言うとのこと。大変失礼し
ました。
解説を引用します。
だべ
「○○するよね~」や「そうでしょう」というの意味で、問
いかけたり確認したりするときに使われる神奈川の方言です。
例えば友達同士の会話のイメージでは、「明日花火大へ行く
だべ?」「うん。浴衣着て行くだべ」のように使用します。
ちなみに標準語だと「明日花火大会行く?」「うん。浴衣着
て行くでしょ」となります。
また、「だべ~」や「べ~」と語尾をのばす場合は、「○○す
るぞ~」や「○○しよう」のような行動を表す意味で使います。
例えば、「今から映画行くだべ~」や、「一緒に野球するべ
~」というように何か行動をするときに呼びかける言葉の表
現として使います。標準語だと「今から映画行くぞ~」「一
緒に野球しよう」となります。
どうも、小田原だけではなく、神奈川で使われている方言のよ
うですね。
一方、伊勢屋の総太郎(朝美絢さん)が連発するのが、「~で
げす」という言葉。下衆野郎だから「げす」と言うのかと思っ
ていたのですが、こちらも調べてみたら、江戸の言葉。
解説を引用します。
げす
〘助動〙 (活用は「げせ・げし・げす・げす・◯・◯」。「ござ
います」の変化した語か) 江戸の語で、「ある」の意に用いられ、
「てげす」の形では助動詞「た」に、「でげす」の形では助動詞
「です」の意に当たる。江戸末期から明治にかけて、芸人や通人、
職人の間に用いられることが多かった。
総太郎も通人気取りでいたので、「~でげす」と言ったのですね。
ところで、「だべ」を調べているとき、「じゃん」も神奈川の方言
となっていました。
これは、後から神奈川の方言になったもので、元々は三河地方(愛
知県の東半分)の方言です。
元から標準語だと思っていたあなた、間違っています。
これも解説を引用します。
自己主張を表すものとして、東三河で「じゃん(か)」、西三河で
「がね」を用いる。「じゃん」は元々、西三河にはなかった が、使
用範囲を拡大して西三河でも使われるようになり、また東方へ伝播
して首都圏方言にも取り込まれた。最近では共通語として定着しつ
つあるが、元は中部地方で使われていた方言であり、それが戦前に
横浜に伝わり、さらに1960年代後半以降、東京でも新方言として使
われるようになった。中部地方の中でも愛知県三河地方ではいち早
く使われ始めた。
私も愛知県民ですが、「じゃん」に接したのは、大学(名古屋の大学
です)に入ってからでした。主に、岡崎から豊橋にかけての三河地方
の高校の出身者が使っていました。私は、尾張地方(愛知県の西半分)
ですので、上にある「がね」でした。なお、三重県の四日市の高校出
身者は関西弁でした。
なお、世間一般(TVなど)で認知されている名古屋弁を使う人は、今
ではほとんどいません。(例:「いりゃーせ」)