妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

『ナイツ・テイルー騎士物語ー』は、宝塚の『二人の貴公子』

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


一昨日(9月27日)は、堂本光一さん、井上芳雄さん主演のミュージカル
『ナイツ・テイルー騎士物語ー』を観劇に梅田芸術劇場メインホールに
行ってきました!!


入り口を入って、公演プログラムを買いに行くと、なんとプログラムが2800円!!
高い!! でも大きくて分厚い!!写真もいっぱい載っている!!
まあ、高いのは仕方がないか。


で、席について、公演プログラムのSTORYを読んだら、どこかで同じような話の
劇を観た覚えが……。


そう、2009年に月組公演として宝塚バウホールで上演された『二人の貴公子』と
同じストーリー。


それも当たり前で、どちらもウィリアム・シェイクスピアとジョン・フレッチャー
の共作『二人の貴公子』を元にしたミュージカル作品。


今回の東宝版と2009年の宝塚版の主な登場人物と配役は、以下のとおりです。


          東宝版           宝塚版


パラモン      井上芳雄          龍真咲        
(テーベの騎士)


アーサイト     堂本光一          明日海りお
(テーベの騎士、パラモンの従兄弟)


シーシアス     岸裕二           萬あきら
(アテネの大公)


エミーリア     音月桂           羽桜しずく
(シーシアスの妹)


牢番の娘      上白石萌音         蘭乃はな
(パラモンのことが好きになり牢屋から逃がす)


ヒポリタ      島田歌穂          天野ほたる
(スキタイの女王、シーシアスに囚われている)


ジェロルド     大澄賢也     (劇作家)彩央寿音
(森の楽団を率いるダンス指導者)


(注)
 1.シーシアスは、宝塚版ではテーセウスになっていますが、読み方の
   違いと思いますので、東宝版に合わせました。
 2.シーシアスは、東宝版ではアテネの大公、宝塚版ではアテネの王と
   なっています。当時のギリシャは都市国家ですので、「王」の方が
   近いと思うのですが、プログラムの「大公」にしました。
 3.牢番の娘は名前はあるのですが、配役には東宝版も宝塚版も牢番の娘
   としか出てきません。東宝版ではわざと名前が伏せられています。
 4.ヒポリタは、公演プログラムには「アマゾネスの女王」と書かれて
   いますが劇中では「スキタイの女王」と呼ばれています。ここは、
   修正しました。



『ナイツ・テイルー騎士物語ー』のあらすじは以下のとおりです。
(公演プログラムをさらに要約)


テーベで従兄弟同士のアーサイトとパラモン。戦争により敵国アテネの大公
シーシアスに捕虜として捕らえられる。同じ牢獄で過ごしていた二人は、ある日、
シーシアスの美しき妹・エミーリアを牢獄の窓から見掛け、同時に恋に落ちてしまう。
だがアーサイトは追放され、テーベに戻るよう命じられる。
テーベへ戻る途中で、アーサイトは森の楽団を率いるダンスの指導者ジェロルドに
出会う。一座に名を偽りダンサーとして加わったアーサイトは、再びエミーリアに
出会うチャンスを得る。その頃、パラモンは、食事の世話をしてくれる牢番の娘の
手引きにより牢獄を脱出する。牢番の娘は脱獄という危険を冒すほどパラモンを
愛していたが、パラモンが去ってしまいショックのあまり正気を失ってしまう。
エミーリアに再会したアーサイトは、周囲に正体を隠し彼女に仕えることに
なったが、シーシアスやエミーリアたちと狩猟に出かけた森で、無二の友で今や
恋敵となったパラモンと出会う。
再会した二人は、どちらがエミーリアを得るにふさわしい男か、愛と名誉と生死を
賭けて決闘を挑むのだったー。


演出は、東宝版はジョン・ケアード。宝塚版は小柳奈穂子先生です。
音楽は、東宝版はポール・ゴードン。宝塚版は吉田優子先生です。


宝塚版は、大分前にタカラヅカ・スカイ・ステージで放送されたのを1回観ただけで
細部の記憶があまりないのですが、一応、宝塚版と比較しながら今回の観劇について
コメントしたいと思います。


宝塚版のパラモン役の龍真咲さんとアーサイト役の明日海りおさんは、どちらも
それぞれ後に月組と花組の男役トップスターとなる方々で貴公子の役ですから、
宝塚男役のキラキラ感があります。
一方、東宝版のパラモン役の井上芳雄さんは、今や日本のミュージカル界を代表する
スター。堂本光一さんは、ジャニーズ事務所所属でアイドルから出発し、コンサート、
映画、TV、舞台と幅広く活躍するスターです。宝塚とは別の意味でキラキラ感が
あり、特に決闘シーンの立ち回りは格好いいです。
東宝版は、このお二人に、音月桂さん(元宝塚雪組男役トップスター)、島田歌穂さん
など実力派を揃えました。


東宝版では、宝塚版と比べると物語がかなりコミカルに展開し、観客の笑いを誘う
場面がいくつか出てきます。
また、東宝版は、シェイクスピア劇を感じさせるセリフ回しが多く(こんな言い方
普通言うかという)、人によってはとっつきにくいと感じるかもしれません。


また、配役では「牢屋番の娘」としか出てこない上白石萌音が演じる役は、東宝版
ではかなり重要な役になっています。難しい役だと思うのですが、ベテラン勢の中で
上白石萌音さんが見事に演じていました。2022年2月-3月上演の『千と千尋の神隠し』
では、主役を演じます(Wキャスト)。


そして、東宝版と宝塚版ではラストが違います。宝塚版の方が原作に忠実ですが、
東宝版の方が好きだという人も多いと思います。好みが分かれるところでしょう。


いずれにしても、実力派豪華キャストとジョン・ケアードによる演出の素晴らしさ。
3年前の初演時には、堂本光一さんの人気が先行している感がありましたが
(チケット取れませんでした~)、3年を経て、見ごたえのある作品に仕上がったと
思います。