壽々の雑記帳

観劇のコメントや日々の出来事・時事問題などについて綴ります。

相変わらず暇なので、レオナルド・ディカプリオ主演の『華麗なるギャツビー』を観ました。

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


前回は、ロバート・レッドフォード主演
版の映画を観ましたが、今回観たのは、
レオナルド・ディカプリオ主演版。


どのくらい違うのか、と思って観たら、
かなり違っているのにびっくり。
同じ原作でこれほど違う作品になるのか、
と思いました。


レッドフォード主演版は、説明少な目で、
小説で言えば、行間を読め、という感じ。


ディカプリオ主演版は、多分こちらが小
説に近いのでしょうが、2時間22分とい
う長時間ながら、ぎっしりエピソードを
詰め込んだという感じがしました。
その分、分かりやすいと言えば分かりや
すいです。


例えば、レッドフォード主演版では、
「灰の谷」について何の説明もないのに、
ディカプリオ主演版では、その説明が出
てきます。


そもそも、レッドフォード主演版では、
ニック・キャラウェイの目を通したよう
な形で物語が進むので、ニックが語り手
かな、と想像するのですが、ディカプリ
オ主演版では、映画の冒頭の部分で、ニ
ックは、アルコール依存症などで、精神
科の治療を受けていて、医者から治療の
一環としてギャツビーの話を書くように
勧められ、ギャツビーとの話を書き始め
る所から、過去に遡って物語が始まりま
すので、ニックが書いている手記の内容
そのものがギャツビーの物語となってい
ます。


ディカプリオ主演版では、トム・ブキャ
ナンの卑劣さが克明に描かれているので、
余りにも酷くて、デイジーの方はあまり
目立ちません。
DVDを観た方の感想も、デイジーを非難
する内容のものは、レッドフォード主演
版ほど多くありません。


ストーリーは、全体としては、どちらも
大きくは変わりませんが、細かい所で描
写が違っています。
例えば、レッドフォード主演版では、マ
ートルがデイジーが運転する車に轢かれ
る場面は出てこなくて、現場にいた人た
ちの話から分かるのですが、ディカプリ
オ主演版では、マートルが轢かれる場面
がご丁寧にも2回出てきます。


ただ、あの灰の谷にあるメガネの看板だ
けは、なぜかレッドフォード主演版と同
じです。


自動車事故後、ブキャナン邸に帰ってき
たトムとジョーダンとニックですが、ニ
ックは家の中に入るのを拒否し、庭へと
でます。そこで、茂みに隠れていたギャ
ツビーに呼びかけられます。


そこからの、セリフがちょっと印象深い
ので、メモしてみました。
==================
ギャツビー:NYを出た時、デイジーは、
      高ぶった神経を運転で静め
      たいと……。
      でも、女性が飛び出してき
      て。あっという間だった。
      デイジーのせいじゃない。
      この件は、誰にも秘密だ。
      言うなよ。
ニック  :とにかく家に帰って眠れ。
ギャツビー:俺はここで待つ。何なら一
      生でも。
ニック  :バカ言うな。
ギャツビー:今日のことで、トムとモメ
      るかも。
      もし、彼女に手を上げたり
      したら……。
ニック  :それは絶対にない。
ギャツビー:信用できるか。奴など信用
      できない。
ニック  :分かったよ。ここにいて。
      様子を見てくる。
ギャツビー:いいのか?恩に着る友よ。


(トムがデイジーに話しかける場面)
トム   :向こうが飛び出してきたん
      だ。君は何も心配しなくて
      いい。僕に任せて。大丈夫。
      他の街へ行こう。寝なさい。
      何も心配しなくていいから。
==================
トムの話をデイジーが受け入れたことを
ニックはギャツビーには伝えませんでし
た。


ギャツビーはデイジーからの電話を待つ
のですが、デイジーは電話をかけるのを
ためらい、結局、ギャツビーはトムにマ
ートルの轢き逃げ犯だと騙されたジョー
ジに銃で撃たれて死んでしまいます。


ギャツビーは、マートルの愛人で轢き逃
げ犯だとマスコミは書き立てます。
それでも、ニックは、ギャツビーとの約
束を守り、真実を明かすことはしません
でした。


ニックは、デイジーに連絡を取ろうとし
ますが、執事が取次しようとしません。
デイジーは、トムと一緒にニューヨーク
を離れます。
ギャツビーの葬儀に立ち会ったのは、ニ
ックただ一人。デイジーからは花も届き
ませんでした。
(この辺りがレッドフォード主演版とは
違っています。)


ニックは、「彼らには何の思慮もなかっ
た。誰をどう傷つけようとも金の力に任
せ、知らん顔をする。」と回想録に書き
ます。


そして、最後の場面は、再び、療養所。
ギャツビーの物語をタイプし終えたニッ
クは、最後にタイトルを『Gatsby』とタ
イプしますが、その後に『The Great』と
手書きで付け加えます。


どちらが好きかというと、個人的な好み
では、レッドフォード主演版でしょうか?
ディカプリオ主演版は、ちょっと詰め込
みすぎでゴチャゴチャしている感じです。


さて、宝塚版はどうか、観たかったので
すが、残念ながら、私の観劇は再々の休
演延長で3公演とも全部消滅してしまいま
した。


映画館でのライブ中継は、抽選が当選し
たので、ライブ中継を観ることにします。
いくら何でも千秋楽はやるでしょう。