妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

「真実の愛が姉妹の絆を結びあわせる」ー劇団四季のミュージカル『アナと雪の女王』を観劇

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、劇団四季のミュージカル『アナと雪の女王』の観劇に、
JR東日本四季劇場[春](東京・竹芝)へ行ってきました。



『アナと雪の女王』は、JR東日本四季劇場[春]の初のロングラン
作品として上演されます。


ということは、当分、ここの劇場でしか観れないという地方在住者
としては、つらい状況です。


ストーリーは、皆さんディズニーのアニメ映画でご存知かと思いますが、
一応書いておきます。(なお、私は、ディズニーのアニメ映画は見て
いません。)


ストーリーは、以下のとおりです。


アレンデール王国の幼い王女、エルサとアナはとても仲の良い姉妹。
雪や氷を操る魔法の力をもつ姉のエルサは、ある夜、誤って妹のアナの頭
に魔法を当ててしまう。
氷のように冷たくなったアナを助けるため、王妃は「隠れびと」を呼び寄
せると、彼らの長パビーにより、アナにかけられた魔法とその記憶は取り
除かれた。
自分の力に怯えるエルサは、魔法の力を消してほしいと懸命にパビーに
頼むが、その力もエルサの一部であり、消すことはできないと告げられる。


王と王妃は、エルサが力をコントロールできるようになるまで城の門を
閉ざし、すべての人々から魔力を隠すことを決意する。
その日からエルサは自分の部屋に閉じこもり、年を経るごとに強くなる
魔力と孤独に、追い詰められていく。
一方、いくら呼んでも姿を見せない姉に、アナは寂しさを募らせる。
そんなある日、王と王妃は帰らぬ人となる。


やがて訪れた戴冠式の日。長い間閉ざされていた城の門が開く。
生まれて初めて訪れる自由に高揚していたアナは、飛び出した城の外で 、
サザンアイルズのハンス王子、そして山男のクリストフに出会う。
一方、エルサは何とか無事に戴冠の儀式をやり遂げ、アレンデールの女王
となった。


戴冠を祝うパーティの場で、久しぶりの姉妹の会話を楽しむ二人。
そのなかで、アナとハンスはすっかり意気投合し、結婚の約束をする。
アナはエルサに結婚の許しを得ようとするが、理解されず言い争いになり、
感情を抑えきれなくなったエルサは城の広間中に氷の魔法を放ってしまう。
貿易相手国からやってきたウェーゼルトン公爵が怪物だと騒ぐのを後に、
城を逃げ出すエルサ。


逃げ出した姉を追うアナは、クリストフと協力してエルサの行方を追う
ことに。
道中では、しゃべる雪だるま・オラフと出会う。それは、かつて姉妹で
心を合わせて作った雪だるまだった。
夏だったはずのアレンデールの町がすっかり雪で覆われているのを目撃
したアナは、姉の力の底知れなさを実感するが、話し合えば元に戻せると
信じて進んでいく。


その頃、一人きりで自由に生きることを決意したエルサが、長年抑えて
いた魔法の力をすべて解き放つと、美しい氷の宮殿ができ上がるのだった。


氷の宮殿にたどり着いたアナたち。エルサの魔法の真実を知ったアナは、
ようやくわかりあえた姉と離れたくないと懇願するが、エルサもまた妹を
大事に想うあまり、ともにアレンデールに戻ることができない。
さらに、雪で国中が凍っていることを知った彼女は、絶望し再び感情を
制御できなくなってしまう。
エルサの魔法が四方八方に放たれ、アナの心臓を直撃する。
エルサはクリストフにアナを託し、力をコントロールできない自分から
遠ざけるため、 魔法で全員を宮殿の外に吹き飛ばす。


幼い頃に「隠れびと」に助けられ家族同様に育てられたクリストフは、
彼らに助けを求める。
しかし魔法を受けたのが心臓であったことから、パビーには助けることが
できない。凍りついた心を溶かすことができるのは“真実の愛”だけと教え
られたクリストフは、アナをハンスの元に送り届けることを決意する。


一方、アナの身を案じて、町の人々とともに山に向かったハンスもエルサの
宮殿にたどり着く。
その一行の中には、エルサを捕らえようとするウェーゼルトンらの姿もあった。


はたしてアナは真実の愛によって、助かることが出来るのか。
そして、エルサの運命は――?


昨日のキャストは、以下のとおりです。


エルサ      三井 莉穂
アナ       町島 智子
クリストフ    北村 優
オラフ      小林 英恵
ハンス      塚田 拓也
ウェーゼルトン   石野 喜一
スヴェン      川野 翔
パビー      大森 瑞樹
バルダ      松本 菜緒
オーケン     竹内 一樹
アグナル王     田川 雄理
イドゥーナ妃   髙岡 育衣
ヤングエルサ   服部 菜々美
ヤングアナ    桑原 広佳



コメント



何といっても音楽が素晴らしいです!!
ミュージカルですから、音楽が命であるのは当然ですが、そうでない
ミュージカルも散見されます。
しかし、この『アナと雪の女王』は素晴らしい曲の数々であふれてい
ます。
映画版の曲にさらに新たに12曲が追加されているそうです。


どの曲も素晴らしいのですが、特に私が気に入った曲は次の曲です。


まず、第3場で幼い頃のエルサとアナが歌う「雪だるまをつくろう」。
可愛らしくてほほえましいナンバーです。


次は、第3場で二人が作った雪だるまのオラフが雪だるまなのに夏に
あこがれて歌う「夏がきたら」。夏がきたら雪だるまは解けちゃうの
にねっていう、ちょっと可笑しくて楽しいナンバーです。
なお、オラフは一人で操るパペットで表現されています。


そして、第1幕の最後、第11場でエルサが歌う主題歌「let it go(あり
のままで)」。何度聞いても素晴らしい名曲です。私の妻は聞き飽きた
と言っていますが、それほど映画版が公開された時にはヒットしました。
ただ、私としては「let it go」を「ありのままで」と訳すのは、いまだに
違和感があります。
本来の意味は、上のストーリーにも出てくるように、「(一人きりで自由
に生きることを決意したエルサが、長年抑えていた魔法の力をすべて)
解き放つ」というのがより適切だと思います。
外国のミュージカルを日本語のミュージカルにするには、日本語の性質上、
意訳せざるを得ないのはわかりますが、「ありのままで」では、エルサの
感情がうまく伝わってこないように思われます。
「ありのままで」が定着してしまっているので、いまさらどうしようもない
のですが、いっそのこと英語の「let it go」のままでも良かったのではないか
とも思います。


第2幕では、最初の第1場で、エルサの魔法で冬になったにも関わらず、店で
夏物を取り揃えているオーケンが歌う「ヒュッゲ」。この曲は舞台版のため
に新しく作曲された曲のようです。とっても楽しくて愉快な曲です。
「ヒュッゲ」とは、デンマーク語・ノルウェー語で、「癒されて居心地の良い
時間、幸福感」の意味で、オーケンは、氷に閉ざされた夏を楽しく過ごすため
「いい言葉がある。おしえてあげよう。‘’ヒュッゲ‘’」と歌いだします。


オーケンの店の右手に小屋があるので何かな?と思っていたら、中から人が
ゾロゾロ出てきて踊りだします。どうもサウナだったようです。両手に葉っぱ
を持って胸と股を隠しながら踊るのですが(当然全身タイツです)、ちょっと
ドキッとします。


最後は、第6場でエルサが歌う「モンスター」。これも舞台版で新しく追加
された曲で、エルサが自分はモンスターではないのか、自分が死ねば人々は
幸福になれるのではないか、という心の葛藤を切々と歌い上げます。




音楽以外では、ノースマウンテンに行きついたエルサが長年抑えてきた魔法の
力をすべて解放し、氷の宮殿を次々と作り上げていくシーン。その美しさに
思わず息を呑みます。
その時、エルサが王国のマントを着た姿から雪の女王に姿を一瞬で変える場面は
まるでマジックを見ているかのようです。


クリストフの相棒のトナカイのスヴェン(二人の俳優さんが着ぐるみの中に入って
いるのですが)の愛らしい姿とか、クリストフがアナを連れてきたのを見て、クリ
ストフが恋人を連れてきたと勘違いして大喜びする「隠れびと」の場面とか、
見所が盛りだくさんのミュージカルです。


エルサの魔法によって凍り付いたアナの心を溶かすことができるのは、“真実の愛”
だけ。
この記事のタイトルに書いたように、真実の愛は恋人のキスなんかではなく、
「真実の愛が姉妹の絆を結びあわせる」のです。



このミュージカル『アナと雪の女王』は、映画版を観たから舞台版はいいや、と
思っている人、年齢にかかわりなく、子供だけでなく大人も、女性だけでなく
男性も、すべての人が共感し、感動できる作品となっていますので、お勧めです。
私の左横の二人の女性は、感動のあまり泣いていました。


ブロードウェイ版のCDを売っているみたいだから買おうかな?


それよりももう1回観に行こうかなーと思っています。