妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

ボニー夢白爆誕~!!フィナーレのショーも良かった、雪組公演『BONNIE & CLYDE』。

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


一昨日は、雪組公演『BONNIE & CLYDE』
のライブ配信日。皆さん、ご覧になれま
したでしょうか?


一杯、感想が出ていますが、私が見た限
りでは、称賛派が大多数。雪組も『蒼穹
の昴』以降、作品に恵まれてきた、とい
う感じがします。
そして、新トップ娘役の夢白あやさんの
評価も高いようです。
新生雪組の今後が楽しみです。


で、前回はネタバレしないように奥歯に
物が挟まったような記事になりましたが、
今回は、盛大にネタバレします。


プロローグは、前回書いた通り、クライ
ドとボニーが車の中で、警官たちの銃弾
の嵐で死ぬ場面から始まります。


と、その前に、今回の席は、何と、前か
ら2列目のサブセンター上手側。銀橋も
ないので、出演者が間近で見れました。
チケットセディナでこんないい席は、珍
しいと思っていたら、なんと、セディナ
貸切公演でした。
もしかしたら、和希そらさんと目が合っ
たかも?


で、全然、関係ない話で恐縮ですが、左
隣の席の3人がおいしそうな揚げ饅頭み
たいなものを食べていたんですが、あれ、
どこで売っているんでしょうね?御園座
は、地元の私も、あまり行ったことがな
いので……。今度、調べておきたいと思
います。


さて、話を戻して、物語は、クライドと
ボニーの少年、少女時代から始まります。


ビリー・ザ・キッドやアル・カポネに憧
れるクライドとその兄バック。
一方のボニーは、銀幕の女優クララ・ボ
ウに憧れ、女優になることを夢見ていま
す。


しかし、現実は厳しく、ボニーは、父親
を亡くして、西ダラスへ。クラウドの一
家も不作のせいで、小作人であるために、
住んでいた農地を追われ、やはり、西ダ
ラスに移住します。


どんな所だったんでしょうね?当時の西
ダラスは。貧困と犯罪がはびこっている
というイメージですが。


成長したクライドと兄のバックは、犯罪
を繰り返し、刑務所へ。ボニーはウェイ
トレスとして働きながらも、まだ、女優
になることを夢見ています。


という所で、クライド役の彩風咲奈さん、
その兄でバック役の和希そらさん、ボニ
ー役の夢白あやさん登場です。


舞台の上の方で刑務所に入所するクライ
ドとバックが写真を撮られている下の場
面ではウェイトレスとして働くボニーの
姿でどっちを見たらいいのか分からない
状態になります。


さて、場面が変わって、エンジンから白
い煙の上がっている車の前で困惑状態の
ボニーの前に、刑務所にいるはずのクラ
イドがやってきます。
西ダラスを離れて、無駄に生きた人生を
取り戻そうとボニーを誘い(「この世界
は俺を忘れないだろう」)、車の運転席
に乗り込もうとするクライドに、ボニー
は、「ええ、あなたとならばどこへでも」
なんて、マリー・ヴェッツェラ男爵令嬢
みたいなことは言いません。「これは私
の車よ」と言ってサッサと運転席に乗り
込み、仕方なくクライドは助手席に。向
かった先はボニーの実家。


一方、クライドと一緒に脱獄したバック
が妻のブランチ(野々花ひまり)が働く
美容室へやってきます。そこへ、追手の
警察官が。咄嗟に美容室の客に化けて、
追手を躱したバックにブランチは、自首
するように説得します。
ブランチは、美容室で働いていて、それ
なりの客もいるように見えるんですけど
ね。やっぱり、生活は苦しいのかな。


ボニーの実家に着いたクライドとボニー。
母親エマ(杏野このみ)がいることに驚
くクライドだが、何とか誤魔化して、泊
めてもらうことに。ところが、ボニーの
幼馴染の副保安官のテッド(咲城けい)
が脱獄者のクライドの捜索にやってきて、
クライドは、ボニーの実家から逃げ出す
ことに。


ところで、テッドは、ボニーに気があっ
て、デートに誘うのですが、すっぽされ
てばかり。ボニーが犯罪者になった後も、
なんとか、ボニーだけは助けようとする
のですが……。テッドと一緒になった方
が、ボニーは、平穏な生活が送れたので
は、とは思いますが、ボニーは危険な男
のクライドを選んでしまします。少女時
代から女優に憧れていたボニーにとって
は、平穏で平凡な生活は無理だったのか
も……。


ところで、また、話は変わりますが、こ
の公演でオーケストラ関係者から新型コ
ロナウィルスの陽性者が確認されたため、
録音演奏に変更して上演するとの宝塚か
らの発表がありましたが、私が1回目を
観劇した2月14日にもオーケストラはい
ました。で、生演奏になった2回目観劇
の今回もオーケストラはいて、少し人数
が増えたかな、ぐらいの感じでした。あ
とは、前回、いなかった指揮者の御﨑恵
さんがいたくらいですかね?なんだか、
よく分からない話でした。


さて、ちょっと、話は飛びますが、ブラ
ンチの説得を受けて自首するバック。
一方のクライドも強盗を繰り返すも、テ
ッドによって逮捕され、再び、刑務所へ。


さらに話は飛んで、法廷の場面。模範囚
のバックには釈放を言い渡されますが、
強盗を繰り返したクライドには、他の犯
罪者への見せしめもあって、懲役16年の
刑が言い渡されます。


当時のアメリカの司法制度がよく分かり
ませんが、数件の強盗と脱獄だけで16年
の懲役は長いような気がします。やはり、
見せしめだったのでしょうが、これは、
クライドにとっては逆効果になってしま
います。


刑務所では、クライドは模範囚とされる
囚人から暴行を受けています。面会にや
ってきたボニーを「もう一人の女」と刑
務官がいう所をみると、暴行だけではな
かったのでしょう。刑務官も見て見ぬふ
りどころか、むしろ面白がってけしかけ
ています。そんな刑務所での毎日に絶望
したクライドは脱獄を決意し、ボニーに
拳銃を持ってくるよう依頼します。


クライドの面会にやってきたボニーは、
刑務官に持っていた紙袋を取り上げられ、
ボディチェックでスカートの下に隠して
いた煙草も取り上げられます。そして、
檻の中にいるクライドに近づいたボニー
はその瞬間、拳銃をクライドに渡します。
あの拳銃、どこに隠していたんでしょう
ね?
ともかく、クライドは、その拳銃を使っ
て、二度目の脱獄に成功します。


そして、クライドとボニーは盗んだピカ
ピカのフォードに乗り込み、二人の服装
も、パリッとした上等な物に変わります。


ところで、時々、登場する牧師さん(久
城あすさん)。スポットライトを浴びて
ソロで神の教えを歌うのですが、この物
語でどんな存在なのでしょうか?
ちょっと、うろ覚えで申し訳ありません
が、牧師は、「神は正しい者と共にある。
正しい道を選びなさい」と説教します。


しかし、民衆は「ここは、希望の国アメ
リカ。借金はあるのに、仕事はない。そ
れでも、ここは「希望の国」アメリカだ。
しかし、絶望しかない。」(この通りの
歌詞ではありません)と歌います。
クライドも「正しい道などこの国にはも
う存在しない。奪うか奪われるか、それ
しかない。聖書は間違っていた。」と歌
います。


ボニーとクライドの生き方の対極として
この牧師を登場させたのだと思います。
人々の心が荒廃し、貧困と犯罪の蔓延る
この時代のアメリカにおいて、神の教え
は何の役にも立たないことを示している
のだろうと思います。この牧師が登場す
るたびに覚える違和感がそれを示してい
るようです。


クライドは、強盗に入った雑貨店で、警
官(眞ノ宮るい)に拳銃を向けられます。
先に撃った警官の弾は逸れ、直後に撃っ
たクライドのクライドの弾は警官に当た
り、死亡します。これが、クライドが初
めて犯した殺人となります。(刑務所の
方が先のはずですが、まあ、いいか)


人を殺してしまったと落ち込むクライド
に、殺人犯と一緒じゃ女優になれないと
出ていくボニー。しかし、行くところも
ない、自分が愛する人はクライドだけだ
と気づいたボニーは、クライドの許へ戻
ってきます。
ボニーとしては、ここがクライドと手を
切る最後のチャンスだったと思うんです
けどね。やっぱり、クライドを選んでし
しまうんですね。(「愛する人は選べな
い」「ボニー」)


また、少し飛ばして、クライドとボニー
が銀行強盗を働く場面。銀行員(麻斗海
伶)に銃を向けて金を出せ、と言うクラ
イドに、銀行員は銀行は倒産して金がな
いと言います。クライドは、銀行には、
俺たちから奪った農場があるはず、と言
いますが、その農場が不況で売れないと
答える銀行員。愕然として立ち去ろうと
したクライドの肩に銀行員が撃った弾が
当たります。反撃したクライドによって、
銀行員は死んでしまいます。
麻斗海伶さんの撃たれ方が上手い!


世界恐慌が始まったのは、1929年で1930
年代後半まで続きます。このボニーとク
ライドの話は、丁度、その世界恐慌の真
っただ中の1930年代前半になります。
そんな閉塞感漂うアメリカで、連続強盗
殺人犯であるにも関わらず、二人は世間
からヒーロー扱いをされるのです。


しかし、遂に、アジトを警官に突き止め
られ、警官が取り囲む中、逃げようとす
るクライド一味ですが、ボニーは足を撃
たれ、バックは瀕死の重傷を負ってしま
します。


「俺を置いて逃げろ」と叫ぶバックに、
クライドは、怪我をしたボニーを連れて
立ち去ろうとします。「人でなし!」と
叫ぶブランチ。確かに、連続強盗殺人犯
ですから、「人でなし」には違いないの
ですが……。
ブランチの腕の中で、バックは死んでい
くのですが、死ぬまでが長い。まあ、こ
こが一番の泣く場面なので……。警官も
バックが死ぬまで待っています。
バックが死んで、泣き叫ぶブランチに警
官は手錠をかけ、連行します。
死体はどうするんだ、と思っていたら、
そのまま、下へセリ下がっていきます。


逃走を続けるクライドとボニーに、面子
を潰された州知事(愛羽あやね)は、元
レンジャーのハマー捜査官(桜路薫)を
招聘し、ボニーが定期的に母親に会って
いることを突き止め、待ち伏せして車ご
と二人を撃ち殺す計画を立てます。


それとは知らず、ボニーの母親に会うた
めに、車で15時間のドライブに出かける
クライドとボニー。車はゆっくりと、目
的地に向かって走り出します。で、幕。


25歳と23歳という若さで150発以上の弾
丸を浴びて散っていったクライドとボニ
ーの物語がどうして、こんなにも私たち
を惹きつけるのでしょうか?
その答えは、この作品をご覧になった皆
さんそれぞれの中にあるのだと思います。


さて、最後にフィナーレのショーの方の
話です。


まず、和希そらさんを中心とした娘役さ
ん達のダンスから始まります。そして、
青いギンギラのドレスを纏った夢白あや
さん中心の男役さん達のダンスへと引き
継がれます。そして、同じく青のギンギ
ラのスーツを身に着けた彩風咲奈さんを
中心とした総踊りとなります。
その後は、彩風咲奈さんを中心とした男
役さん達のダンス(黒燕尾と同じ)にな
ります。この場面が、ちょっと、格好い
いです。
そこから、和希そらさんの歌をバックに
彩風咲奈さんと夢白あやさんの新トップ
コンビでのデュエットダンスです。
最後は、パレード。出演者がそれぞれの
役の格好で挨拶し、彩風咲奈さんは、カ
ッコよく車で登場。その車に夢白あやさ
んが助手席に、和希そらさんが車の後ろ
に乗り込み、幕が下ります。