妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

藤ヶ谷太輔さん主演『ドン・ジュアン』③~騎士団長の亡霊の愛の呪いが悲劇を生む!!

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


『ドン・ジュアン』も11月6日(土)をもって、無事千秋楽を
迎えました。


さて、DVDの発売も決定されたことだし、前回の②の続きです。


アンダルシアの美女が第8場ですから大分戻って第4場「兵士の
練兵場」です。


隊長ラファエル(平間壮一さん)を中心に兵士達が銃を手に
格好良く踊ります。
踊りが終わると兵士たちは休憩に入ります。
その時、ラファエルはマリア(真彩希帆さん)と結婚すると同僚
の兵士達に告げます。
マリアは、ラファエルが戦場に行くことを心配しますが、ラファ
エル達は戦争に対して楽観的です。
マリアはラファエルに自分が死んだ騎士団長の石像を製作すること
になったことを告げ、戦場から帰ってくるときは、その石像を目指
すようにと言います。


一方、エルヴィラ(天翔愛さん)はドン・ジュアン(藤ヶ谷太輔
さん)を諦めきれず、ドン・ジュアンの友人のドン・カルロ(上口
耕平さん)に頼んでドン・ジュアンの父親であるドン・ルイ・テノ
リオ(鶴見辰吾さん)に会いに行きます。


私は、基本的にTVはニュースと天気予報しか見ないので、鶴見辰吾
さんがいきなり爺になったのにびっくりしました(その分自分も
年を取ったわけですが……)。若い時は結構イケメンだったんです
けどね。


エルヴィラの話を聞いたドン・ルイ・テノリオはドン・ジュアンを
呼んで説得しようとしますが、ドン・ジュアンは耳を貸そうともし
ません。


第12場「戦場」では砂嵐の中、ラファエル達兵士は敵に追い詰めら
れています。そして、敵の夜襲。仲間の兵士たちは次々に死んでい
きます。


ラファエルの戦死の噂を聞いたマリアは、出来掛けの騎士団長の
石像のある自分の工房で「悲しいはずなのに悲しくない」と言い
ます。


そこへ騎士団長の亡霊に「真実の愛を知りたくはないか?」と導
かれたドン・ジュアンがやってきます。


ドン・ジュアンはマリアに会って、今まで、他の女には抱いたこと
のない感情が芽生えます。


この感覚は何だ?おい化け物、俺に何をした?これは何だ。一体何
なんだ。俺に一体何をした?おい頼む教えてくれ。これがお前の呪
いなのか?


マリアは、騎士団長の石像の制作のために、ドン・ジュアンに騎士
団長についていろいろ訊こうとします。


次第に惹かれあっていくドン・ジュアンとマリア。
ドン・ジュアンは、マリアによって「真実の愛」に目覚めたので
した。

ここで藤ヶ谷太輔さんが歌う「エメ」が印象的です。

ここで第1幕は終わります。


ここで終われば、めでたし、めでたし。良かったね。ということ
ですが、そうはいきません。


騎士団長がドン・ジュアンにかけた愛の呪いは続いていたのです。


そして、第2幕へ。


ネタバレになるので、簡潔に書きます。


永遠の愛を誓うドン・ジュアンとマリア。


しかし、幸せな時間は長くは続きません。愛の呪いは続いている
から。


嫉妬にかられるエルヴィラは、マリアに結婚を約束していた相手が
いることを知ります。そして、帰還兵を待っているとラファエルに
出会います。ラファエルは生きていたのでした。


ラファエルに結婚相手のマリアがドン・ジュアンと一緒にいること
を知らせます。


このあたりのエルヴィラの行動に私が共感できないのは私が男性だ
からでしょうか?ただ、エルヴィラは後にこのことを後悔します。


ラファエルはドン・ジュアンとマリアに会い、ドン・ジュアンに
自分がマリアの結婚相手であることを告げます。
ドン・ジュアンは、マリアに隠し事をしていたことを怒りますが、
マリアの愛を懸けてラファエルと決闘することになります。


マリアはドン・ジュアンに決闘をやめるように説得しますが、ドン・
ジュアンは聞き入れません。


騎士団長は、「愛」についてドン・ジュアンが理解することがなけ
れば、決闘に勝つことはできないと言います。


この作品は、観る人にも「愛」とは何かという問いを突き付けてき
ます。


そして、ラファエルとの決闘の最中にドン・ジュアンの見出した
答えは?


ラファエルの剣に自ら貫かれに行くドン・ジュアン。


そして、ドン・ジュアンの愛はマリアの心の中に生き続けます。


ドン・ジュアンが横たわるその上に大量の赤いバラの花びらが降り
注ぎます。


そして、幕。


愛と感動の傑作ミュージカル!!(←どこかの宣伝文句みたい)


素晴らしい音楽と素晴らしいストーリーと、そして素晴らしい
出演者達。


藤ヶ谷太輔さんは、美形でありながら演技派アイドルという、
まさしくドン・ジュアンを演じるのにふさわしいスターさん。


真彩希帆さんは、抜群の歌唱力という武器を引っ提げて(?)、
宝塚退団後の初舞台。マリアという大役を見事に演じていました。


ところで、何のコメントもしていないのが、春野寿美礼さんの
イザベル。ドン・ジュアンの元愛人という設定だと思うのですが、
ちょっと微妙な立ち位置。解説しようと考えたのですが、表現力
不足で断念。


公演は、昨日で終了して公式HPもなくなったので、DVDを予約注文
したい方は、こちら。
     ↓
https://www.umegei.com/disc/