妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

朝夏まなとさんの歌と衣裳が素敵なミュージカル『マイ・フェア・レディ』

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


11月19日は、朝夏まなとさん主演のミュージカル『マイ・フェア
・レディ』を観に、帝国劇場へ行ってきました。


実は、2018年に上演されたときにも朝夏まなとさんの『マイ・
フェア・レディ』を名古屋の劇場で観劇しているのですが、席が
悪かったのか、舞台を横から見るような形でかなり見づらかった
ので、今回は、そのリベンジということで、帝国劇場まではるばる
と観劇に行ってきました(その名古屋の劇場はその後、2度と行っ
ていません。古いので建て直せばいいのですが、名古屋市に予算が
ないらしく、先延ばしになっています。)。


公演案内は、以下のとおりです。


ロンドンの下町の花売り娘が、言語学者のレッスンで、見違えるよ
うに麗しい貴婦人に変貌する――。オードリー・ヘップバーン主演
の映画版でも広く親しまれている『マイ・フェア・レディ』。
1963年、日本で初めて上演されたブロードウェイミュージカル
としても記録にのこる本作ですが、それから半世紀以上もの間、心
躍る珠玉の名曲の数々とともに定期的に再演を重ね、日本ミュージ
カル史に燦然と輝いてきました。日本初演50年周年を迎えた
2013年、翻訳・訳詞・演出を手掛けるG2の手により演出等がリ
ニューアルされ、クラシカルな英国の香りと華やかさはそのままに、
個性豊かな登場人物たちの生き生きとした情感がより際立つ作品とし
てリボーン(再誕生)し、日生劇場他で上演され大好評をもって迎え
られました。2018年には朝夏まなと&神田沙也加を主演に迎え、
寺脇康文&別所哲也を相手役に東急シアターオーブ他で上演され、
時代を超えて愛される不朽の名作として、その人気を証明してみせま
した。そしてこの度、2009年以来、12年ぶりに《ミュージカル
の殿堂》帝国劇場にて上演されることが決定いたしました。相島一之、
今井清隆、春風ひとみ、伊東弘美、前田美波里など、2018年公演
の続投キャストに加え、フレディ役で前山剛久&寺西拓人が初参加、
作品世界にフレッシュな彩を添えます。


ストーリーおよびキャストは、以下のとおりです。


コベント・ガーデンのロイヤル・オペラ・ハウス。終演後、劇場から
流れ出てきた紳士淑女は、われ先にとタクシーを呼び止めようとして
いる。そんな人々にスミレの花を売り歩いているのはイライザ・ドゥ
ーリトル(朝夏まなと)。煤と埃にまみれお世辞にも魅力的とはいえ
ない。タクシーを拾うのに気をとられていたフレディ(寺西拓人)は
イライザにぶつかり、売り物の花が散らばってしまう。思わずフレディ
と母のアインスフォードヒル夫人(伊東弘美)を怒鳴るイライザ。
その言葉はロンドンの下町言葉・コックニー訛りがひどく、とても聞
けたものではない。そこへ通りかかったヒュー・ピッカリング大佐
(相島一之)はイライザに花を売りつけられるが、その一部始終を物
陰で手帳に書きとっている男がいた。男の正体は言語学者のヘンリー・
ヒギンズ教授(別所哲也)。あまりにイライザの話し言葉がひどいの
で、研究用に書き取っていたのだ。自分なら6か月以内に宮殿の舞踏
会で踊る貴婦人に仕立てさせてみせる、と豪語するヒギンズの言葉に、
イライザは興味深いまなざしを向ける。やがて意気投合したヒギンズ
とピッカリングは去っていった。
ヒギンズから思わぬ多額の稼ぎを手に入れ、上流社会の生活を夢見る
イライザ。そんな彼女の前に清掃作業員の父アルフレッド・ドゥーリ
トル(今井清隆)が現れる。いつも娘から金をせしめようとする酔っ
払いの父親にうんざりのイライザだが、そこは父娘の情。娘から銀貨
1枚を受け取って、ドゥーリトルは大手を振ってパブへ入っていった。
翌日。ウィンポール・ストリートにあるヒギンズ家の書斎。ヒギンズは
ピッカリングを相手に研究成果を聞かせているところ。そこに家政婦の
ピアス夫人(春風ひとみ)が来客を告げる。やって来たのは精一杯の
盛装をしたイライザ。
レッスン料を払うからちゃんとした花屋の店員になるために話し方を
教えてほしいというのだ。そこでヒギンズは、ほんの思いつきだった、
《下町娘を貴婦人に仕立てあげる》を実行に移すことにする。ヒギンズ
の大言壮語につられたピッカリングはそれまでにかかる費用を全部賭け
ようともちかける。
こうしてイライザの奮闘が始まった。来る日も来る日も発音の練習を
続けそしてある日、とうとう正しい発音をマスターしたイライザ。勝利
の喜びに浸るヒギンズは、早速、母親(前田美波里)がボックスを持っ
ている、紳士淑女の社場・アスコット競馬へイライザを連れて行くこ
とにするのだが…。



さて、私のコメントです。


このミュージカル『マイ・フェア・レディ』は私の大好きなミュージ
カルの一つです。
オードリー・ヘップバーンの映画版も観ていますし、大地真央さん、
真飛聖さん、霧矢大夢さんのイライザの舞台も観ています。
そして今回は、朝夏まなとさんの主演。上でも書いたように朝夏さん
は2回目です。
最近のイライザは、先に書いたように元宝塚男役が演じることが多く、
朝夏さんのイライザも身長が高くスタイルがいいです。
ですから、アスコット競馬場での白と黒の衣裳と帽子が良く似合います。
上のストーリーにはないですが、舞踏会の場面の豪華なティアラと首飾
りを着けた舞踏会のドレス姿も素敵です。
この美しい衣裳をまとったイライザの姿もこのミュージカルの見所の一
つでしょう。
ですから、映画版では、歌はほぼ吹き替えですが、オードリー・ヘップ
バーンがイライザに起用されました。


そして、なんといってもミュージカルナンバーの素晴らしさがこのミュ
ージカルが何度も再演されてきた理由の一つでしょう。
冒頭の場面では、イライザと行商人たちによる「だったらいいな」が
歌われます。「暖かい部屋でチョコレートを食べる そんな暮らしが
できたらいいな」と憧れの暮らしを歌います。とてもいい曲です。


数々の名曲の中でもこのミュージカルの主題歌ともいえる「じっとして
いられない」。朝夏まなとさんは、この高音域を含む曲を鮮やかに軽々
と歌っていきます。本当に朝夏さんの歌声は素晴らしです。
一方、イライザの父親役の今井清隆さんが歌う「運がよけりゃ」と「教
会へは遅れずに」はどちらも手拍子の出る陽気で楽しい曲です。
また、アスコット競馬場でのイライザの振る舞いにすっかりイライザが
好きになってしまったフレディが、ヒギンズ教授の家の前でイライザを
待って歌う曲、「君が住む街」も素敵なナンバーです。
今回、寺西拓人さんが初めてフレディ役に挑戦。過去、浦井健治さんや
平方元基さんらが演じてきた役で歌唱力が要求されるので、どうかな、
と思って観ていましたが、結構よかったです。イケメンですし。
ひょっとして、寺西拓人さん目当ての人も観に来ていたりして……。


ところで、ヒギンズ教授がイライザのコックニー訛りを矯正するところ
で、今回の舞台では、イライザが「ひ」を「し」と言ってしまうことに
しています。
「日は東、日向にひなげし」は「しはしがし、しがしにしなげし」と
なります。
これは、元の英語版を上手に翻訳したもので、英語版ではイライザは、
「エイ」を「アイ」と発音します。
ですから、"The rain in Spain stays mainly in the plain."がうまく発音で
きません。一度、英語版も聞いてみてください。


ラストが前回観たときと変えられていました。というより今までのラス
トと違うラストになっていました。より素敵な今の時代に合ったラスト
になりました。
やはり、ミュージカルも時代に合わせていく必要があるのでしょうね。


このミュージカルは、上層階級で鼻もちならないヒギンズを、下層階級
出身のイライザが知性で凌駕していくというバーナード・ショーの「ピ
グマリオン」を原作としています。


「ピグマリオン」には続編があり、イライザはヒギンズ教授と別れ、フ
レディと一緒になります。


しかし、舞台版、ミュージカル版はこの結末を変更しています。
詳細は、ネタバレになるので書きませんがハッピーエンドで終わります。


さて、皆さんはどちらの結末がお好きでしょうか?