妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

宝塚大劇場の片隅で観た月組公演『フリューゲル』!!(感想③)

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、月組公演4回目の観劇に、宝塚
大劇場まで遠征してきました。


ローソンチケット貸切公演でしたが、席
は17列目の上手端の方。


舞台遠いし、客席降り置いてけぼりだし、
今回は、余り、いい席ではなかったです
ね。


後、公演最中に、奇声を発したり、変な
所で拍手をする人が、私のすぐ右側にい
て、一体、どういう人だろうと思ってい
たのですが、終演後に見ると、車椅子に
乗った男の人が手を叩いていました。


身体障害だけでなく、少し、知的障害も
あるのでしょう。


こういう人をどう扱うのかは、難しいで
すね。
周りの観客には迷惑をかけているけれど、
軽度の知的障害なら入場を断るというこ
とも出来ないし、してはならないと思い
ます。


さて、②の続きになります。


サーシャ(天紫珠李さん)の西側への逃
亡が成功した所からです。

東ベルリンで現体制を批判するデモ行進
が高まる中、ヘルムート(鳳月杏さん)
は、ナディア(海乃美月さん)のコンサ
ート会場の爆破計画を企てたテロ容疑で、
フランツ神父(夢奈瑠音さん)と教会に
集う学生たちを逮捕します。


一方、食事に行きたいと訴えるナディア
に街中は危険だと考えたヨナス(月城か
なとさん)は、自宅にナディアを招くこ
とにします。


ヨナスの自宅では、叔父夫婦(朝陽つば
ささんと麗泉里さん)と従妹のイルゼ
(まのあ澪さん)のほかに、ヨナスの部
下4人も歓迎の準備を手伝って、待って
いました。


一緒にビールを飲んだり、食事したり、
会話をしたり、楽しく過ごす中で、ヨナ
スは世界中へ行くのか、とナディアに訊
くと、ナディアは日本の東京にも、そし
て宝塚にも行く、と答えます。


ナディアが取り出したチラシを見て、ヨ
ナスは、「少し日本語を齧ってるんだ」
と言って「まんげきょう」と読み始める
と、ナディアが「ばんかきょうよ」と訂
正します。


客席は大爆笑ですが、ヨナスが読み間違
えるということは、ヨナスは漢字の「万
華鏡」の方を読んでいたことになり、少
し齧ったどころではないですね。


ところが、そこへ、国家保安省のノイビ
ル(蘭尚樹さん)がやってきて、ナディ
ア達は奥の部屋に逃げ込むのですが、ヨ
ナスに対して、サーシャへの不法入国者
の掩蔽、共和国逃亡を幇助した疑いでヨ
ナスを逮捕してしまいます。


ヨナスの収監を知ったルイス(風間柚乃
さん)は、ゾフィア(梨花ますみさん)
達に、テロリストは内部側にいることを
伝えます。ルイスは、ヘルムートを疑っ
ていたのでした。


ルイスの行動にゾフィア達は疑問を持ち、
ルイスは自分の正体を明かすことにしま
す。


で、そのルイスの正体が4回観ても全然
分かりません。
しかも、客席の手拍手が入るので、歌詞
が余計に聞き取れません。
多分、NATOのエージェントと言ってい
るように思われるのですが……。
最後に、軍服を着て登場するところから
見ても、そんなような立場なのでしょう。


いよいよ、ナディアシュナイダーのコン
サートの幕が上がります。
部下の助けで拘束から逃れたヨナスが会
場に駆け付け、工作員に吐かせた情報か
らナディアのマイクに歌い終わると爆発
する時限爆弾が仕掛けられていることを
知ります。


ルイスが用意してくれた別のマイクを手
に、歌っているナディアに近づいていく
ヨナスですが、なかなか、マイクの交換
ができません。


ナディアと一緒に「フリューゲル」を歌
いながら、ようやく、マイクを交換した
ヨナスは、そのマイクを舞台の上手にい
る部下たちに渡します。


ビビった部下の手から手へと渡されたマ
イクは、最後には、下手に地下から登場
したルイスに向かってマイクを投げ、ル
イスが見事にそれをキャッチ。そんな訳
がないので、ライトでマイクを表して、
放物線を描いて下手へ行き、それを風間
柚乃さんが受け取ったことにしています。


ルイスは爆弾の入ったマイクを持って、
再び、地下へ。後で、僕は大丈夫だよ~
と言って煙と共にルイスが登場するとこ
ろをみると、地下のどこかで爆発させた
のでしょう。


「別班」の乃木ならマイクの重さで爆弾
が仕掛けられたことに気付いただろうと
想像した私。(←まだ、VIVANTの世界
から抜け出せていない)


コンサートも無事終了し、再び、監視塔
で語り合うヨナスとナディア。
母をまだ、憎んでいるというヨナスにナ
ディアは、「フリューゲル」を歌う人が
そんなことをするはずがないと言います。
西ベルリンに来ないかと誘うナディアに
まだ、この国の行く末を見たいと言うヨ
ナス。


二人は、ベルリンの壁がなくなることを
願って、再会の約束を固く誓います。


そして、1年後。
東ベルリンの壁には民主化を求める民衆
が集まり、国境警備隊に左遷されたヨナ
ス達も駆け付けます。
一方の西ベルリンでは、ナディアがマイ
クで人々を扇動しています。
東ベルリンでヘルムートら人民警察が民
衆を弾圧しようとしますが、フランツ神
父が殴られて倒れた後、立ち上がりなが
ら歌を歌い始めます。


それは、ベートーヴェンの交響曲第9番
の“歓喜の歌”。
ヨナスも続いて歌い始め、それは、東ベ
ルリンの民衆にも広がっていきます。


それを聞いたナディアも歌い始め、ルイ
スが続き、他の人々も加わります。


この東ベルリンと西ベルリンの民衆が
“歓喜の歌”を合唱しながら、盆が廻り、
東西ベルリンを交互に見せる場面が圧巻
です。


そして、遂にベルリンの壁が壊され、東
ベルリンにいたヨナスやヘルムート達が
西ベルリンにやってきます。
東ドイツにおける社会主義による支配は、
終焉を迎え、民主化されます。


ヘルムートは、自ら信じ、守り抜いてき
た社会主義の崩壊に呆然とし、自らの頭
を拳銃で撃ちぬいて、自殺します。


この場面は、『レ・ミゼラブル』のジャ
ベールの死を想起させます。
自分が信じてきたものが覆された時、そ
れが強固であればあるほど、人は死を選
ぶのでしょうか。


母親のエミリア(白雪さち花さん)が生
きていることを知ったヨナスは、最初は、
会うことを拒否しますが、ナディア達に
背中を押され、介護施設に居る母親に会
いに行きます。


エミリアに付き添っていたワルシャワの
弁護士二コラ(蓮つかささん)からエミ
リアは、ナチスの収容所でユダヤ人の命
を助けていた事を知ります。二コラもそ
の一人でした。


真実を知ったヨナスは、母親に歩み寄り
ます。しかし、エミリアは「記憶が定か
でない」という二コラの言葉通り、ヨナ
スが息子だと認識することができません。


この時の(その前にも登場しますが)白
雪さち花さんの演技が秀逸です。


ただ、記憶障害ではあんな風にはならな
いと思いますし、むしろ長い抑留生活か
らの認知症だろうかと思います。


死んだ夫が大好きだった白いシャクヤク
の花を手に持ち、フリューゲルの歌を歌
うエミリア。その歌に合わせて歌うヨナ
ス。
エミリアは、ヨナスを息子だと見分ける
ことができませんが、また、あなたに会
いたいと言い、ヨナスは毎日会いに来る
と言います。
ちょっと、感動的な場面です。


そして、ヨナスとナディアの二人の場面。
ヨナスは、ナディアに、君は勇気という
名の翼をくれた、と言い、ナディアもヨ
ナスに夢という名の翼をくれた、誰かの
幸せのために歌いたい、それが私の夢だ
と言います。


最後は、二人腕を組んでレストランへ。


二人は、宝塚へも行きそうな気がします。
『万華鏡百景色』を観に……。