妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

やっぱり素敵な天海祐希さん主演の『広島ジャンゴ2022』観劇しました~!!

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、天海祐希さん主演の『広島ジャ
ンゴ2022』シアターコクーン公演を観劇
しました。
テレビでは天海祐希さんをよく拝見するの
ですが、生の天海さんの舞台が観たくてチ
ケットを入手しました。


シアターコクーンは初めて。
いつものようにアクセスマップをプリン
トして、いざ、花のお江戸の渋谷へ。


渋谷のスクランブル交差点は、これがま
だコロナ禍かと思うほどの若者たちで大
賑わい。しかも、この中の大部分が3回目
のワクチン接種をしていない。
東京は、恐ろしいところだべ。(何の話だ
?)


さて、アクセスマップ通りに進んでいく
と、何か来たことのあるような気がして。
そう、シアターコクーンは初めてですが、
オーチャードホールには来たことがありま
した。


シアターコクーンには開場(12時45分)
少し前に到着。
今回、席はC列の一番右端。舞台が良く
見えました。


さて、『広島ジャンゴ2022』の話。


公演解説です。(公演プログラムのご挨
拶の部分)


劇作家・演出家として躍進を続け、多方
面から高い評価を得ている蓬莱竜太氏が、
満を持してシアターコクーンに初登場し
ます。
蓬莱氏が広島の演劇人と共に取り組んだ
作品を、フィクション性・エンタテイメ
ント性を高めてブラッシュアップ。
装いも新たに、広島弁飛び交う異色の
❝ニュー❞ウェスタン劇、『広島ジャンゴ
2022』と題しました。
物語は、広島の牡蠣工場と西部の町❝ヒロ
シマ❞を舞台に進みます。
時代や場所は違っても、限られた社会の中
ではびこる、理不尽と不条理。
そして、「女性の戦い」。
活劇の痛快さも盛り込みながら、私たちに
相似した登場人物たちがそれぞれの正義を
持って、様々な現実を向き合い、一歩を踏
み出す姿をぜひお楽しみください。
出演は、今回が舞台では初共演となる天海
祐希さん、鈴木亮平さんをダブル主演に迎
え、さらに、仲村トオルさんをはじめ、総
勢20名の個性豊かな俳優陣がそろいました。
本作が、今なお予断を許さない世界情勢。
そして、過酷な日常の中で生きるすべての
皆さまへの応援歌になることを心から願っ
ています。


主な出演者です。


広島の牡蠣工場で働くシングルマザー“山
本”と、何らかの罪で追われる凄腕ガンマ
ン“ジャンゴ”を演じるのは、天海祐希。
工場のシフト担当“木村”と、ジャンゴの愛
馬“ディカプリオ”を演じるのは鈴木亮平。
さらに、工場長の義弟で傲岸不遜な男“健
人”と、町のならず者“クリス”に野村周平、
工場で働く沢田夫婦の妻“サツキ”と、強い
信念を持ち家族を守ろうとする “マリア”
に中村ゆり、酒場の女主人“ドリー”に宮下
今日子、工場長の妻“尚美”と町長の妻“パ
メラ”に池津祥子、沢田夫婦の夫“篤志”と、
“マリア”の夫で権力に翻弄される“チャー
リー”に藤井 隆、工場長の“橘”と、西部の
町 「ヒロシマ」を牛耳るワンマンな町長
“ティム”に仲村トオル。
ほか、過去に自殺した木村の姉“みどり”に
土居志央梨、山本と、そしてジャンゴの一
人娘である“ケイ”に芋生 悠、マリアとチャ
ーリーの娘“エリカ”に北 香那が出演する。


ストーリーです。


広島。
その中心部から外れた海辺にある牡蠣工
場。
黙々と牡蠣の殻を剝き続ける新入りのパ
ートタイマー・山本が、他の従業員たち
に取り囲まれている。
シフト担当の木村を筆頭に、従業員たち
は熱烈な広島カープファンである工場長
・橘が開くカープ優勝祈念の懇親会に、
山本を出席させるべく説得に当たってい
た。ガラの悪い連中を引き連れているの
は橘の妻・尚美の弟である健人だ。
だが、「休日には予定がある」とにべも
なく断る山本。
沢田篤志とサツキの夫婦は山本をかばう
が、他の従業員たちは尚美がちらつかせ
る臨時ボーナスにつられ、苛立ちを隠せ
ない。結局、山本の説得は木村に一任。
「このままではクビにされる」という木
村の言葉にも動じず、山本は娘のケイと
共に頼まれていた残業も断り帰っていく。


その夜。
心身ともに疲弊した木村は、自室で堀み
どりと話しながら酒を飲み、お気に入り
の西部劇映画を観るうちに眠り込んでし
まう。
次に意識を取り戻した時、木村の目に映
ったのは山本とケイ母子の姿だった。
二人は木村を「ディカプリオ」と呼び、
親しげに声をかけるが、その扱いは人間
に対するものとは違っていた。
そこは開拓時代のアメリカ西部に酷似し
た、ワンマン町長ティムが仕切る西部の
町ヒロシマ。


山本は凄腕ガンマン・ジャンゴと呼ばれ、
木村は母子と共に旅する馬のディカプリ
オになっていたのだ。
ヒロシマは町を潤していた川が原因不明
のうちに枯れ、深刻な水不足に苦しんで
いた。
一方。唯一水の沸く井戸を持っているティ
ム一派は高額で水を売り、私服を肥やして
いる。
ティムの妻パメラとその弟クリス、酒場兼
娼館を営むドリー、町のために水脈を探す
チャーリーと教師のマリア夫妻、その娘の
エリカ。
住民の心までが乾きかけている荒んだ町。
水をめぐる陰謀に巻き込まれるジャンゴ母
子とディカプリオの運命やいかに?


さて、コメントです。


多分どこにも説明がなかったと思うので
(チラシは見ていませんので)、タイト
ルの「ジャンゴ」について。
ご存知の方は多いと思いますが、そうで
ない方もみえると思いますので。


『Django』(日本公開時のタイトルは、
『続・荒野の用心棒』)は、1966年のイ
タリアの映画(主演:フランコ・ネロ)
でいわゆるマカロニウェスタン。
その主人公の名前がジャンゴです。
なお、マカロニウエスタンは、、1960年
代から1970年代前半に作られたイタリア
製西部劇です。
『荒野の用心棒』『夕陽のガンマン』
『荒野の1ドル銀貨』などの作品が今まで
にない西部劇として大ヒットしました。


『Django』のリメイクともいえる作品が
2012年に公開されたアメリカ映画の『ジ
ャンゴ 繋がれざる者』(主演:ジェイミ
ー・フォックス)で、ジャンゴの敵役を
演じたのがレオナルド・ディカプリオで
す。


これで「ジャンゴ」ー「西部劇」ー「馬
のディカプリオ」がつながりました。


さて、物語はストーリーにも出てくるよ
うに現実の広島にある、とある牡蠣工場。
その舞台の中央で黙々と牡蠣の殻から身
を取り出す作業をしているのが、高校生
の子連れでシングルマザーの山本役の天
海祐希さん。
のっけから存在感抜群です。


警察官である夫から逃れる(理由はハッ
キリとは出てこなかったと思うのですが、
娘のセリフからすると多分DV夫)ために、
東の方(これもどこかは分かりませんが
パート仲間が「読売ジャイアンツのファ
ン」というところから多分東京方面)か
ら住所を転々として、広島へとたどり着
いたのです。


高校生の娘と一緒に過ごせる時間を何よ
りも大切に思う山本は、熱狂的な広島カ
ープファンである工場長の橘(広島カー
プのユニフォームを着ています)の主催
で次の休日に広島カープの試合を工場挙
げて応援に行く懇親会に参加することを
拒絶します。


工場長(懇親会に参加することでボーナ
スが出ることを期待するパート仲間も
含めて)と山本の間に挟まれて苦悩する
のがシフト担当の木村。


この物語において、ある意味狂言回しの
ような役割になっています。


そして、木村が大好きなのが正義が必ず
悪に勝つ勧善懲悪の西部劇映画。
自室で映画を観ながら酒を飲んでいると、
眠ってしまって、目覚めるとそこは西部
劇の世界。


木村は女ガンマンのジャンゴとその娘の
ケイと一緒に旅をする人の言葉を話すこ
とができる馬のディカプリオになってい
ました。


ジャンゴは、夫であった保安官から娘を
救うために、夫を銃で射殺。賞金稼ぎか
ら命を狙われえ賞金首になっていて、
東の方からヒロシマという町にたどり着
きます。
ジャンゴは『夕陽のガンマン』のクリン
ト・イーストウッドのようなメキシカン
ポンチョを着て、頭にはカウボーイハッ
トを被り、腰には2丁拳銃といういで立
ち。


そして、物語のキーパーソンとなるのが、
木村の自殺した姉のみどり。
時々、木村(ディカプリオ)の前に現れ
て話しかけますが、自殺した理由につい
ては、なかなか話そうとはしません。


これ以上、書くとネタバレになってしま
うので、ここでやめますが、最後には、
悪事の数々を働く町長一味とジャンゴと
が決闘することに。
2丁拳銃を手にしたジャンゴ(天海祐希
さん)が超格好いいです。


そして、すべての決着がついて、夢の中
から現実の広島に戻った木村。
山本に対する重大な決断を下します。


西部劇の世界のように正義と悪とで割り
切れない現実世界。
しかし、そこにはやりきれない理不尽も
不条理も依然として存在していて、どこ
か西部劇の世界とつながっています。


西部劇の世界なのに、なぜか酒場で日本酒
とキリンレモンが出てきます。ディカプリ
オは馬ですから、宿屋には入れてもらえず、
無理やり雨水を飲まされそうになります。
そんなユーモアのある場面も交えながらも
物語は、観る者の心に感動を呼び起します。


現実世界では横暴な工場長、西部劇の世界
では悪の親玉の町長を演じる仲村トオルさ
ん。


その町長の圧力に屈しながらも家族を必死に
護ろうとするチャーリー役の藤井隆さん。


その他の配役の人もその素晴らしい演技で見
事な作品に仕上がりました。


何といっても蓬莱竜太氏の演出力の素晴らし
さに脱帽です。


最後のカーテンコールで、天海祐希さんが観
客を抱きしめるような仕草をしてくれました。
マスクがなかったら、キャーですね。