妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

これは素晴らしい!!!雪組公演『蒼穹の昴』を観劇しました~!!(1回目)

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


浅田次郎の原作『蒼穹の昴』全4巻を読
んで、この大作をどうやって2時間半の
舞台にするのかと思っていましたが、さ
すが原田諒先生、素晴らしい演出です。
しかも、演出助手に新進気鋭の谷貴矢先
生と指田珠子先生。強力な演出陣です。


主役3人である梁文秀(彩風咲奈)、李
玲玲( 朝月希和)、李春児 (朝美絢)
の登場場面はしっかり確保し、物語の展
開上、キーとなるエピソードも押さえつ
つ、原作の相当の部分をバッサリと切り
捨てて、それでもストーリーとして破綻
を来さないで、2時間半にまとめた手腕
は、さすがです。


一番犠牲になったのは、各国の記者が集
まる慈禧酒場の場面でしょうか。原作で
は、頻繁に出てくるのですが、今回は、
1回しか出てきません。
梁文秀が科挙の試験を受ける場面も話に
は出てきますが、大幅、カットです。
当然、貧しい子供たちを宦官にする場面
もカットです。
ちょっと、話が分かり難くなった面は否
めないですが、これは仕方がないでしょ
う。


逆に、李鴻章( 凪七瑠海)が、 栄禄
(悠真倫)の胸に剣(原作では槍)を
突き付ける場面は残しました。
あの場面で、ちょっと、胸がスッとした
方もみえるのではないでしょうか。
また、原作にはない日清戦争の場面を加
えています。


さて、いつものストーリーの紹介です。
(公演プログラムより)
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「梁文秀。そなたは長じて紫禁城に登り、
天子さまの傍らで天下の政を執ることと
なろう。学問を琢き知識を博め、帝をお
扶けする重き宿命ぞ」ー。


19世紀末、清朝末期の中国・河北。
村はずれの居酒屋で、飲んだくれて寝て
しまった梁家屯の地主の次男・文秀(彩
風咲奈)は、まどろみながら聞いた言葉
に目を覚ます。韃靼の老占い師・白太太
(京三紗)のいつもの声だ。 仲間たちか
ら科挙の院試に合格したことを囃したて
られた文秀は、必ずや最終試験も突破し
てみせると心新たにする。そんなところ
に、李春児 (朝美絢)がやって来る。文
秀とは義兄弟の契りを交わした極貧の少
年。彼もまた、白太太から告げられた
「その手にあまねく財宝を手にするだろ
う」という言葉に夢を託していた。
やがて、文秀は熾烈な科挙の最終試験に
首席で合格する。紫禁城に伺候した文秀
は、第二等・順桂(和希そら)、第三等
・王逸(一禾あお)と共に、光緒帝(縣
千)とそのおばで紫禁城一の権力を誇る
西太后(一樹千尋)に対面した。古式然
とした紫禁城の中で、文秀は清国の現状
を一瞬にして突き付けられた思いを味わ
う。このままでは、この国は列強の餌食
になってしまう……文秀たち若き俊英は、
自らに課せられた使命を果たそうと誓い
合うのだった。
しかし、そう簡単に光緒帝へと禅譲が行
われるのかー。西太后と渡り合えるだけ
の絶対的な後ろ盾が皇帝に必要なのは明
らかだった。文秀たちの師である大学者
・楊喜楨(夏美よう)は、天津総督であ
る李鴻章将軍(凪七瑠海)にその任を預
けようと考えていた。
一方、文秀の試験に同行し北京にやって
来たものの喧嘩をし、文秀と袂を分かっ
てしまった春児は、夜の街をさまよい歩
いていた。そこで盲目の胡弓弾きに出会
った春児は、自分が身を立てる道は宦官
になる以外はないのではないかという思
いに至る。
故郷に戻った文秀は春児の妹・玲玲(朝
月希和)と出会う。母親は亡くなり春児
は宦官になったと玲玲から知らさせた文
秀は、玲玲を連れて北京に戻ることを決
意する。その時、白太太が現れ、またし
ても不思議なお告げを残して姿を消す。
「二人は不思議な糸で結ばれている」と
……。
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ストーリーにあるように、最初の場面は、
梁家屯の村はずれの居酒屋。なんですが、
その居酒屋が舞台下手にあって、私の前
列、前々列の人の頭で全然見えません。
ちょっと、残念。
で、次の場面が同じく梁家屯の曠野で、
占い師の白太太が文秀と春児にその宿命
を予言される場面。


その荒涼とした曠野の場面から一転して、
中秋節の催しが華やかに催されている紫
禁城太和殿の場面になります。
宝塚大劇場の大階段を使っての紫禁城太
和殿の場面の豪華さには、思わず息を呑
みます。
大階段中央に玉座があり、光緒帝が座っ
ています。その左隣には西太后が立って
います。
階の両側と下には、豪華な「蟒袍(マン
パオ)」を着用した文武百官が居並び、
さらにその両側には美しい衣裳を着た女
官がずらりと並んでいます。
そして、女官が中秋節の宴の踊りを美し
く舞い踊ります。
その光景は、まさしく圧巻です。


同じ、紫禁城の場面が第十場の光緒帝の
三人の妃との結婚の儀の場面でも登場し
ます。
そこで、西太后から京劇「挑滑車」を所
望され、李春児と黒牡丹(眞ノ宮るい)
が立ち回りを演じる場面も素晴らしいで
す。


今回の作品、この紫禁城の場面だけでも
観る価値があるでしょう。


チケット販売開始の時には、売れ行きの
悪かった雪組公演ですが、今回は、是非、
観劇をお勧めします。
素晴らしい舞台になっています。


さて、キャスト別感想は、次回以降で。
まだ、2回観劇予定です。