妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

ようやく観れました~星組公演『柳生忍法帖』『モアー・ダンディズム』②

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


前回の記事「ようやく観れました~星組公演『柳生忍法帖』『モアー・
ダンディズム』①」の続きです。


昨日は、星組公演『柳生忍法帖』『モアー・ダンディズム』のローソン
チケット貸切公演の観劇に宝塚大劇場へ行ってきました。


それで、前回の記事の一部が間違っているのに気づきました。


間違っていたのは、江戸・加藤屋敷の場面。


江戸・加藤屋敷に、「芦名銅伯とゆらが現れる」と書きましたが、現れた
のは、ゆらだけ。芦名銅伯は会津にいて、ゆらに乗り移って会津七本槍に
指示をしていました。


したがって、以下のとおりに訂正します。


江戸・加藤屋敷の場面。
ひとつ前の場面で捕らわれた柳生十兵衛の前にゆらが現れます。
ゆらは、人を恋いうる心が抑えられなくなる魔性の香を使って十兵衛を
惑わせようとします。
前にも書いたとおり、原作でゆらが登場するのは後半部分。
それでは舞空瞳さんの登場場面が少ないので、ここでも登場させています。
芦名銅伯は会津にいて、ゆらに乗り移って会津七本槍に指示を与えます。
ここでは声だけの登場です。


次は江戸の市中の場面


天樹院=千姫(白妙なつさん)が住む江戸の竹橋御殿の近辺で、祝言の夜、
花嫁と花婿が忽然と姿を消し、翌朝には花婿だけが御殿の門前に正気を失
った姿で現れ、花嫁は行方不明という事件が続いていました。
というようなことを、沢庵和尚(天寿光希さん)が口頭で説明します。


不審に思った十兵衛は、堀一族の女の一人、お圭(音波みのりさん)と共に
花婿、盲目の医師三沢玄達とその花嫁お園に扮して自ら囮になります。
そこへ七本槍の面々が現れ二人を捕らえて、加藤屋敷に連れ去ります……。
といった場面なのですが、十兵衛が盲目の医師に扮するのは隻眼だと柳生
十兵衛とバレるおそれがあるから。
といった説明が何もありません。原作を読んでない人は、何で柳生十兵衛が
盲目の医師に扮して両目を閉じているのか分からないのではないかと思います。


ゆらが使う魔性の香によって襲い掛かる女たちを当身を使って次々と気絶
させる十兵衛。からくも難を逃れます。


最後には、加藤屋敷に侵入した堀一族の女たちの助けを借りて会津藩主加藤
明成(輝咲玲央さん)を人質に加藤屋敷から脱出に成功します。



オープニングの場面
昨日の観劇で気づいた点がありますので、一番最初の場面へ戻ります。


「柳生忍法帖」と書かれた幕が上がると目の前に大きな扉があります。
その扉の奥から女性が数え歌(「ひとつとや」とか「ひとつとせ」で始まり
数を数え上げる童歌)を歌う声が聞こえてきます。
その途中で、礼真琴さんの柳生忍法帖開演の挨拶があります。
その挨拶が終わると扉が開き、ゆら(舞空瞳さん)が数え歌を歌いながら
出てきます。右手で鞠をつくような仕草をしています。


その数え歌の六番目に「雪地獄」という言葉が出てきます。
「雪地獄」というのは、会津藩主加藤明成の快楽のために藩内から攫って
きた美女を閉じ込めておくために鶴ヶ城内に作られた密室のことですが、
原作では、沢庵和尚が会津の城下町で手毬をつきながら歌う数え歌に
この「雪地獄」が出てきます。


こんな内容です。
「六つとや 娘狩りたて雪地獄 雪地獄 親の涙で溶かしたや
 溶かしたや」 


原作では、沢庵和尚が会津藩主加藤明成や会津七本槍を揶揄して歌う
手毬唄ですが、その手毬唄をゆらがオープニングの場面に歌わせて
何の意味があるのか、疑問に思います。そもそもこの場面で「雪地獄」
と歌われても(原作を読んでいないと)観客には何のことか分からない
でしょう。


この『柳生忍法帖』には、このように原作を読んでないと分からない
ような場面や分かりにくい場面、さらにどう考えてもおかしいという
ような点がいくつか出てきますが、それは演出としてはまずいだろうと
思います。


ところで、ゆらの数え歌が終わると会津七人衆が登場するのですが、その
会津七人衆が揃ったところがとっても格好いいです。


会津七人衆の配役は以下のとおりです。


具足丈之進  漣レイラ


司馬一眼房  ひろ香祐


漆戸虹七郎  瀬央ゆりあ


鷲ノ巣廉助  綺城 ひか理


平賀孫兵衛  天華えま


香炉銀四郎  極美慎


大道寺鉄斎  碧海さりお


会津七人衆はそれぞれ特別な技を持っているのですが、舞台では表現
出来ないような技を持っている者がいます。


具足丈之進は、天丸、風丸、地丸という3匹の獰猛な秋田犬を使役する
のですが、舞台では3人の少年に変えられています。それぞれ娘役が
演じている(天丸=瑠璃花夏さん、地丸=星咲希さん、風丸=綾音美蘭
さん)こともあって、あまり強そうに見えません。


香炉銀四郎は、霞網を投げてその網の中に人を封じ込めるのですが、
これも舞台ではできないので、普通に剣だけを使います。


大道寺鉄斎は、くさり鎌の達人ですが、催眠術の使い手にこれも変えられ
ています。「俺の目を見ろ」と言って催眠術をかけるのですが、一度目は
通じても二度目は目を見なければいいので、あっさり斬られてしまいます。


ほかの会津七人衆もラスボスの漆戸虹七郎を除いて、案外、柳生十兵衛の
情勢を受けた堀一族の女たちによってあっさり斬られてしまいます。


ほかのどうでもいいところに案外時間をかけているだけに、そんなにあっさ
りと七本槍が殺されちゃっていいのか、という気がします。


ただ、柳生十兵衛と漆戸虹七郎が対決する場面だけは、時間をかけていて
最大の見せ場になっています。
ところで、この決闘で柳生十兵衛は腕の腱を漆戸虹七郎は足の腱をそれぞれ
斬られます。(←私の聞き間違いでなければ)
足の腱を斬られた漆戸虹七郎は身動きができなくなり、堀一族の女達に斬ら
れて死にます。は、いいのですが、腕の腱を斬られたはずの柳生十兵衛が
そのあとピンピンしているように見えます。


なお、香炉銀四郎を演じている極美慎さんのちょっとキレた演技がとても
いいです!!
ロミオとジュリエットでもマーキューシオでキレた役を演じていて上手い、
と思っていました。私の中で極美慎さんは星組の推しメンの一人です。



レビューについては、次回コメントします。