妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

ラストが切ない感動のミュージカル『ドッグファイト』大千秋楽を観劇!!

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、ミュージカル『ドッグファイト』を観に、大阪のシアター
・ドラマシティへ行ってきました。
10月1日のシアタークリエ公演を台風16号の関東接近で断念した
リベンジ観劇です。
席は前から2列目が12列目と大分後退しましたが、まあまあよく
見れました。


さて、『ドッグファイト』の公演案内は、以下のとおりです。


青春の純粋さと残酷さが交錯した、その先には―。
本作は2012年にオフ・ブロードウェイのセカンド・ステージ・
シアターで上演。その楽曲の新鮮さと、繊細な人間ドラマは驚きと
感動を持って迎えられました。原作は1991年にアメリカで公開された
映画であり、夭逝した人気俳優リバー・フェニックスが主演した数少
ない映画としても知られています。
作詞・作曲は大ヒットしたハリウッド映画「ラ・ラ・ランド」ではアカ
デミー賞とグラミー賞のW受賞。続く映画「グレイテスト・ショー
マン」でもアカデミー賞を受賞。ミュージカル「ディア・エヴァン・
ハンセン」ではトニー賞にも輝いた現代最高の作家コンビ、ベンジ・
パセック&ジャスティン・ポール。2015年、2017年と大盛況のうちに
日本初演・再演を果たした本作。
主演は、初演・再演と熱気あふれる演技、歌、ダンスの全てにおいて高い
評価を得た屋良朝幸が務めます。普遍的な若者の成長と絆を描いた感動的
な物語と、躍動感あふれる音楽とダンスのコラボレーション。
更にエネルギッシュな『ドッグファイト』にご期待ください。


ストーリーは、以下のとおりです。


ベトナム戦争出征前のアメリカ・サンフランシスコ。
エディ(屋良朝幸)とボーランド(藤岡正明)、バーンスタイン
(大久保祥太郎)の3人は訓練期間を終えた新米兵士。各々の
イニシャルをもじって“3匹の蜂(スリービーズ)”と称するほどの親友
同士。彼らは出征前の最後の夜を楽しむべく街で大騒ぎを始め、
「ドッグファイト」に参加する。同じく海兵隊の仲間、フェクター
(小川 優)、スティーヴンス(今江大地)、ギブス(一色洋平)も
加わり盛り上がりを見せるが、それは海兵隊で代々受け継がれてきた、
一番イケていない女の子をパーティーに連れてきた者が賞金を得ると
いう最低のゲームだった。
誘いを断られ続けたエディは街のとある食堂に行きつき、そこで
ウェイトレスのローズ(昆 夏美)と出会う。娘を心配するローズの
ママ(彩乃かなみ)は反対するが、なんとか彼女をパーティーへ
連れ出すことに成功し安堵するエディ。
エディの気持ちとは裏腹に、彼の本当の目的を知らないローズは生ま
れて初めてのデートに高揚していた。
パーティーには同じく事情を知らずに連れてこられたルース・トゥー
ベアーズ(池谷祐子)、なにやら企んでいそうなマーシー(壮 一帆)
も参加する。ローズの純朴さ、心の優しさに触れたエディは次第に彼女
をパーティーに誘ったことに心苦しさを感じ始めるが、時はすでに遅く、
ラウンジ・シンガー(坂元健児)の合図でパーティーが始まる。


ドッグファイト― それは兵士への一歩を踏み出す彼らに感情を捨て
させるために仕組まれた、残酷な通過儀礼であった…。


出演者は、以下のとおりです。


エディ・バードレイス  屋良朝幸


ローズ・フェニー    昆夏美


ボーランド       藤岡正明


バーンスタイン     大久保祥太郎


フェクター       小川優(ジャニーズJr.)


スティーヴンス     今江大地(関西ジャニーズJr.) 


ギブス         一色洋平


ルース・トゥーベアーズ 池谷祐子


ローズのママ      彩乃かなみ 


ラウンジ・シンガー   坂元健児


マーシー        壮一帆



コメント


物語は、エディが長距離バスでサンフランシスコへ向かう場面から
始まります。
そして、そこから一気に過去(1963年11月)へ。
その日は、エディたちがベトナム戦争へ出征する前の日。明日は、
船に乗って沖縄に向かわなければならない。
そんな最後の日に、エディたちは海兵隊で代々受け継がれてきた
ゲーム「ドッグファイト」に参加する。
一番イケてない女の子をパーティーに連れて行かなければいけない。
女の子探しに苦労するエディたち。そんな中でエディは食堂でウェイ
トレスとして働いていたローズと出会う……。
といった具合に物語は進むのですが、音楽が上の公演案内に書いてある
ように「ラ・ラ・ランド」や「グレイテスト・ショーマン」などを手掛
けたベンジ・パセック&ジャスティン・ポール。
どの曲も素晴らしいです。


そして、ローズ役の昆夏美さんがソロで歌う曲も多く、抜群の歌唱力を
いかんなく発揮してくれます。
また、昆夏美さんと壮一帆さんがデュエットで歌うナンバー「ドッグフ
ァイト」も素敵でした。
この二人身長差がありすぎて並ぶと面白かったです。昆夏美さんはもと
もと背の低いほう。一方の壮一帆さんは元宝塚の男役トップだけあって
女の人の中でも高身長。


一方、屋良朝幸さんを中心とした男性キャストによる躍動感あふれる
ダンスも素晴らしかったです。


ストーリーの続きは、(もう公演は終わっているのでどんどんネタバレして
いきます)


パーティーに出かけるのが嬉しくてたまらないローズ。どの衣装を着ていく
か迷うが最後に決めたのは最悪のピンクのドレス。真っ赤な口紅を塗り、頬
紅もつけて、見るからにイケてない女の子になっています。


そして、パーティー。優勝したのは前歯を抜いて見せたマーシー。
そのマーシーからローズはパーティーの真の目的を知らされます。
怒って、エディの頬をひっぱたいて家へ帰るローズ。


パーティーの途中から罪悪感を抱いていたエディは、赤いバラの花1本を手に
ローズに会いに行きます。
ひたすら謝るエディにローズの心も変化していきます。
そして、レストランへ二人で食事に出かけることに。


高級レストランで予約なしで訪れた二人はウェイターから最初はにべもなく、
断られますが、何とか席に着くことのできた二人。お金がないエディは自分は
ビールだけを注文しますが、最後は食事を分け合って食べます。


このレストランでのウェイターとのやり取りがとっても可笑しい。アドリブ
なんかもあったみたいです。


橋の上から夜景を仲良く眺める二人。この時、ローズはエディが明日には
ベトナムに向けて出発してしまうことを知ります。


そして、ローズの家へ帰った二人は一夜のベッドを共にすることになります。
朝、別れ際にエディはローズに手紙を書くことを約束します。


そして、場面は戦場へ。仲間たちが次々と戦死していきます。エディの親友も。


そして、再び場面は冒頭のサンフランシスコへ向かう長距離バスの中。


エディは、ローズと再会するためにサンフランシスコへやってきたのでした。


やっと、ローズの店にたどり着いたエディ。
そのエディにローズは「なんで手紙を書いてくれなかったの?」「もう待つ
ことはあきらめた」と話します。エディは「なんで俺じゃなかったんだ」と
ローズに言います。


そして二人は抱き合いローズはエディに「お帰りなさい」と。


ここで幕が下ります。


なにか切なくなるラストです。


戦争という大きな歯車が友人も恋人もその絆を引き裂いていきます。


その戦争という現実の前に一瞬だけ輝く若者たちの青春。


3人の若者たちの傲慢さ、それとは対照的に純朴で優しい心を持つローズ。


そのローズに強く共感するとともに、傲慢な若者たちにもその傲慢さが
戦地に赴くことによる不安から来るものと思えば共感できます。


最後のカーテンコールが終わって、大千秋楽でしたので、キャストが一人
ずつ挨拶をしました。が、人数が全部で11人。
そこで、ええ~!!
じゃあ、あの役は誰がやっていたの?
つまり、一人が何役もやっていたのでした。ついでに場面が変わるところも
一部キャスト自身でやっていました。凄い!!!


ところで、挨拶の中で、坂元健児さんが音楽監督からプレスリーになった
つもりでやれと言われて、いろいろとプレスリーの動画なんかを見て研究
していたのに、キャスト仲間からグッチ祐三にしか見えないと言われた、
という話には皆で大笑いしていました。


素晴らしいミュージカルです。ぜひ、また再演されることを願っています。