妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

月組全国ツアー公演『ブラック・ジャック 危険な賭け』『FULL SWING!』ライブ中継を観ました~!!

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、月組全国ツアー公演『ブラック
・ジャック 危険な賭け』『FULL SWING!』
のライブ中継を観に地元の映画館に行っ
てきました。


まず、お芝居の『ブラック・ジャック 危
険な賭け』の方から。
別バージョンの『ブラック・ジャック』
は、2013年に雪組で上演しているようで
すが、『危険な賭け』は、1994年に花組
で安寿ミラさん主演で上演してから28年
ぶりの再演。


何か、最近、そういうの多いですね。
何年もの間、眠っていた作品を再演する
というのが……。
特に、全国ツアーは多いような気がしま
す。
で、初演の時には評判良かったけど、再
演するとイマイチ。
今回の作品もその部類に入るのではない
かという気がします。


昔からの宝塚ファンは、喜ぶかもしれま
せんが、これでは、若い層のファンの新
規獲得は難しいのではないか、と危惧し
ています。


とりあえず、ストーリーを紹介します。
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 1980年代中頃ー。かつて英国領だった
南米のとある小国で軍事クーデターが勃
発する。エンリケ将軍(春海ゆう)がヴ
ィクトリア女王(麗泉里)を暗殺し、全
世界に向けて独裁を宣言したのだ。しか
し、謎の外科医の治療によって女王は奇
跡的に一命をとりとめ状況は一転、クー
デターは失敗に終わる。天才的な腕で女
王の命を救った医者の名は、ブラック・
ジャック(月城かなと)。彼は一躍注目
を浴び時の人となる。
 その頃、小国と友好関係にあった英国
でも、クーデターの様子が報道されてい
た。国際情勢の分析に優れていると評判
のブックメーカー(賭け屋)のケイン
(風間柚乃) は、相棒のジョイ(礼華は
る)と共にほとぼりが冷めるまで外国に
逃れようと空港へ向かう。彼らは南米の
クーデターを賭けにして売り出していた
のだが、客の一人で、武器ブローカーの
サザランド(光月るう)という男が、ク
ーデターの失敗によって受けた損害を彼
らに請求してくることを予想したのだ。
しかし想像通りサザランドに追いつかれ
たケインは、逃げる途中で発作を起こし
て倒れてしまう。そこへ偶然ブラック・
ジャックが通りかかり、ケインに応急処
置を施す。
 空港を後にしたブラック・ジャックは、
ヴィクトリア女王の手術をした報酬を受
け取るために英国情報部の幹部スノード
ン卿(凛城きら)を訪ね、彼の部下であ
るアイリス中尉(海乃美月)と出会う。
彼女はブラック・ジャックの昔の恋人、
如月恵(海乃美月、二役)によく似てい
た……。
 アイリスはブラック・ジャックに一枚
のレントゲン写真を見せて手術を依頼す
るが、それを一目見たブラック・ジャッ
クは成功の可能性は極めて低いと判断す
る。そのレントゲン写真はアイリスのか
つての同僚であり恋人でもある、ケイン
のものだった。彼の頭の中には、アイリ
スを庇って受けた銃弾の欠片が残り、そ
れが神経を圧迫していた。アイリスの頼
みを一度は断ったものの、その男が空港
で助けたケインだと知ったブラック・ジ
ャックは、自分の身体の状態を知りなが
ら無茶をするケインのことが気に掛かり、
彼が運ばれた病院へ向かう。しかし、自
分が極めて危険な状態だと知るからこそ
自由に生きたいと願うケインは、ブラッ
ク・ジャックの干渉を嫌い病院を出てい
ってしまう。
 命を粗末にする奴は我慢がならない…。
ケインを助けたい一心のアイリスと共に、
ブラック・ジャックはケインの行方を追
うがー。
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この作品、演出家の正塚晴彦氏のオリジ
ナル脚本ということですが、1980年代中
頃に何でイギリス女王がヴィクトリア女
王?というツッコミはともかく、ストー
リーがいかにも陳腐です。
本人は「ウェルメイドな舞台を目指した」
と言っていますが、どこが「ウェルメイ
ド」なのか?
原作に対するリスペクトは感じるものの、
どこかの三流スパイ映画のストーリーの
ような出来の悪さにはガッカリです。
また、振り付けは、謝珠栄ですが、初演
と同じなのか、どこか古臭い感じがしま
す。
一方で、主題歌の「かわらぬ想い」を始
めとする曲の方は素晴らしいです。


というのはさておき、出演者の演技は、
さすがに「芝居の月組」、素晴らしい演
技を見せてくれました。
特に、目立ったのは、ケインを演じる風
間柚乃さん。今回、月組2番手の鳳月杏
さんが別公演ですので、実質2番手。歌
も上手いですが、さすがに素晴らしい演
技力です。
主演の月城かなとさんよりも出番が多か
ったような……。
それほどのインパクトがありました。


月城かなとさんのブラック・ジャック、
海乃美月さんは、今回、一人二役で、メ
インのアイリスは、ヒロインではありま
せんが、やはり、見事な演技です。
月城さんのブラック・ジャック役は、良
く似合っていました。原作のブラック・
ジャックの人の生命に対する想いが見事
に表現されていました。


夢奈瑠音さんがメインの役は、レポータ
ーですが、出演者が少ないので、あちこ
ちでアルバイトをしていました。
夢奈瑠音さんがもう少し活躍してもいい
のではないかと思うのですが……。


さて、ショーの方は、礼華はるさんが大
活躍です。
ソロ場面と風間柚乃さん、夢奈瑠音さん
とトリオで出る場面とがあって、お芝居
でも抜擢されていましたが、ショーは、
それを上回っていました。
今後の活躍が楽しみな男役さんです。
もう少し、顔がキリっとするともっとい
いと思うのですが……。


で、パレードは、風間柚乃さんが肩羽根
を背負ってエトワール。実質3番手扱い
ですね。
そして、夢奈瑠音さん一人降りの後から
礼華はるさん。
これは、ちょっと驚きました。
本公演ではどうなるのか、楽しみです。


最後にご当地出身者の紹介。
福岡県出身者は、ピノコ役の美海そらさ
ん。
前日は、早口言葉をやっていたそうです
が、この日は、ピノコ役になってのブラ
ック・ジャックとの電話のやりとりのお
芝居。客席も舞台上も大爆笑。なかなか
の芸達者ぶりでした。