妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

花組公演『鴛鴦歌合戦』VS.雪組公演『夢介千両みやげ』

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


花組公演『鴛鴦歌合戦』と雪組公演『夢
介千両みやげ』。
どちらも、お気楽娯楽時代劇です。


『鴛鴦歌合戦』の公演解説を見た時には、
また、時代錯誤の駄作時代劇かと思いま
したが、蓋を開けてみると、評判は結構
いいようです。


不評だった『夢介千両みやげ』と、一体、
どこが違うのでしょうか?


今回は、この2つの作品を比べてみたい
と思います。


まず、『夢介千両みやげ』は、TVドラマ
にもなった「桃太郎侍」が代表作の山手
樹一郎氏の原作を石田昌也氏の脚本・演
出で舞台化したものです。


コロナ渦もあってか「明るい作品を」と
いう劇団の要請もあったようです。


ただ、選んだ作品がいかにも時代遅れ、
という感じがしました。


主人公の夢介は、小田原の庄屋の息子で、
父親から“通人”となるため千両を使って
の道楽修行を言い渡され江戸へ向かうと
いう、なんともお気楽すぎる設定。


しかも、「日本一のお人好し」と言われ
るほどのお人好しで、小田原弁丸出しと
いう(小田原の方すみません)なんとも
締まらない人物。


選んだ原作も時代遅れで、主人公も冴え
ないのですが、演出も、もう少し、何と
かならなかったのか、と思われます。


演出の石田昌也氏には、『壬生義士伝』
や『ロックオペラ モーツァルト』のよう
な作品もあるんですけどね。


一方の『鴛鴦歌合戦』は、マキノ正博監
督による片岡千恵蔵主演のオペレッタ映
画を小柳奈穂子氏の脚本・演出で舞台化
したもの。


『今夜、ロマンス劇場で』もそうでした
が、こういう元のある作品は、さすが、
小柳演出の腕が冴えます。


主人公の浅井礼三郎は、長屋住まいの貧
乏暮らしではあるものの、剣の達人とい
う、一応、武士。黒の着流しという姿が
何とも格好良くて、3人の女性からモテ
モテのいい男。


その3人の女性を含めて、周りの人物も
活き活きと描かれていて、お祭りの場面
など舞台も華やかです。


曲も、こんな古臭い曲で大丈夫か、と思
いましたが、それが却って良かったよう
で、多少、現代風にアレンジされている
ようですが、耳に馴染みやすく、これも
好評の原因かと思われます。


ということで、お気楽娯楽時代劇の二つ
の作品を比べてみましたが、何か、雪組
が駄作に当たってしまって、気の毒な感
じがします。