妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

『NEVER SAY GOODBYE』は、何故チケットの売れ行きが今一つだったのか?

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


現在、東京宝塚劇場で上演中の宙組公演
『NEVER SAY GOODBYE』。


宝塚大劇場公演でのチケットの売れ行き
が今一つだったようだったのと、千秋楽
ライブ中継の映画館も席が全部埋まって
いる、という状況ではありませんでした。
しかも、第1幕で帰った人も……。


ただ、皆さんの感想を見ると、一部の人
を除いて、好意的です。


このギャップは何なんだ?と思うのです
が、今回は、その原因と思われることに
ついて、考えてみようと思います。


まず、チケットの売れ行きが悪かったこ
とについては、公演の始まる前の時点で
は、前回の公演(和央ようかさんの退団
公演)を観ている人以外は内容は知らな
いはず。(私もその一人です)


その時点で、判断する材料は、公演ポス
ターと公演解説・人物相関図くらいです。


で、公演ポスターは、いかにも地味です。
真風涼帆さんは、カメラマンの役ですか
ら、どうしてもこうなるとは思いますが、
例えば、公演前から人気のあった月組公
演『今夜、ロマンス劇場で』のポスター
は、月城かなとさんの服装は、映画の撮
影所の助監督ですから、地味ですが、海
乃美月さんは映画の中のお姫様の役です
ので、綺麗なドレスを着て、二人でお花
畑に座っています。
ロマンチックで、観たいという気持ちが
起きるようなポスターです。
そして、見事にチケット難でした。


『NEVER SAY GOODBYE』の地味なポ
スターでは、宙組ファンはともかく、そ
の他の人は、観たいという気持ちになれ
ないではないかと思います。


一方、公演解説は、こうです。
(前半省略)


「1936年。ナチス政権下のベルリンオリ
ンピックに対抗してバルセロナで人民オ
リンピックが開かれる。取材に訪れた人
気写真家ジョルジュは、リベラルな女性
劇作家キャサリンと運命的な再会を果た
し、二人は恋に落ちるが、やがてスペイ
ン内戦に巻き込まれて行く。
ファシズムと闘う人々の愛と勇気が、
「ONE HEART」をはじめとする数々の
名曲で綴られる、ミュージカル大作。」


「スペイン内戦」というのが、分かりづ
らいとは思うのですが、同じ「スペイン
内戦」を時代背景とした宝塚の作品に、
『誰がために鐘は鳴る』があり、ジョル
ジュ・マルローのモデルとなったと思わ
れるロバート・キャパを描いた作品に
『ロバート・キャパ 魂の記録』があり
ます。


どちらも観たことはないのですが、どうも
「スぺイン内戦」に関する知識がなくても
問題ないようなストーリーに思われます。


『NEVER SAY GOODBYE』も「スペイン
内戦」に関する知識は必ずしも必要ないと
は思うのですが、「スペイン内戦」の対フ
ァシズムというよりも、人民戦線の内部闘
争がメインになっています。そして、これ
にオリンピアーダが加わるので、さらに分
かりづらくなっているように思われます。
(人物相関図より)


この公演解説を読んで、観に行きたいと
思う人がどれだけいるのか、と思うよう
な解説文です。


これももしかすると、不人気の原因の一
つかもしれないと思うのが、この『NEVER
 SAY GOODBYE』で真風涼帆さんが退団
するかもしれない、と思われていたのが、
さらに退団が1作品延びたことです。


1本物で退団?という疑問はあったのです
が、和央ようかさんの退団作品です。
この作品で退団であったならば、きっと、
チケット難であったと思うのですが、なん
だか、肩透かしを食らったような気持ちに
なったのは、私だけではないと思います。


ということで、思いつくことを色々書いた
のですが、それでも、まだ、雪組公演より
はましだというのが……。


なお、「スペイン内戦」については、(↓)
の記事をご参照ください。