妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

笑いと感動の傑作ミュージカル『ラ・カージュ・オ・フォール 』を観劇しました。

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


4月29日(金)は、ミュージカル『ラ・
カージュ・オ・フォール 』を観劇に、梅
田芸術劇場メインホールへ行ってきまし
た。


3月18日(金)の日生劇場公演がコロナ
で中止になったので、一般発売で大阪公
演のチケットを確保しました。


日生劇場公演は、前から2列目だったの
に、18列目に。
しかも、前の人の頭で舞台が一部見えな
い上に、右隣の人が上演中に独り言を言
うという最低の席でした。


それでも、舞台は最高。笑いと感動の傑
作ミュージカルです。


『ラ・カージュ・オ・フォール 』の観劇
は2回目。
前回はいつだったのか覚えがないのです
が、大好きになって、今回も観に行くこ
とにしました。


さて、公演解説です。


『ラ・カージュ・オ・フォール (La Cage
 aux Folles)』は、1973年のジャン・ポワ
レ作のフランスの劇として誕生し、スト
レートプレイとして仏演劇史上最長のロ
ングランを記録した。その後、1978年に
初めてフランス・イタリア合作で映画化
され(邦題「Mr.レディMr.マダム」)大
反響を起こし、1996年にハリウッドで
「バードケージ(The Birdcage)」として
リメイクされました。


ミュージカル版は、アーサー・ローレン
ツ演出、スコット・サーモン振付によっ
て、1983年8月21日パレス・シアターで
開幕。全1,761回の公演を行った。この
初演で、トニー賞6部門、ドラマ・デス
ク賞3部門を受賞するというセンセーシ
ョナルを巻き起こした。その3年後の19
86年5月7日にロンドン・パレイディアム
で開幕。ウエストエンドでも約8カ月間
(全301回)のロングランを達成。


そして、2004年12月9日ブロードウェイ
のマーキース・シアターでジェリー・ザ
クス演出、ジェリー・ミッチェル振付で
リバイバルされ、全229回の公演を行い、
再びトニー賞2部門、ドラマ・デスク賞
2部門を受賞。さらに2008年にはロンド
ン/ウエストエンドでも開幕し、オリビ
エ賞『ベスト・リバイバル・オブ・ミュ
ージカル』受賞、2010年にはブロードウ
ェーで2度目のリバイバルとなり、トニ
ー賞史上初の2度目の「ベスト・リバイ
バル・オブ・ミュージカル」受賞という
快挙を成し遂げた。


日本では1985年、青井陽治演出、リンダ
・ヘイバーマン振付で近藤正臣のザザ、
岡田真澄のジョルジュのカップルで初演。
その8年後の1993年から市村正親の当た
り役のひとつとして上演を重ねてきた。
そして2008年からはジョルジュ役に市
村の劇団四季時代からの盟友・鹿賀丈史
を迎え、「ラ・カージュ」史上最高のコ
ンビとして、2008年、2012年、2015年、
2018年公演とも、初日から千穐楽まで連
日のスタンディングオベーションという
大成功を収め、今なおその人気は衰えを
見せない。


主な出演者です。


ジョルジュ     :鹿賀丈史
ザザことアルバン  :市村正親
ジャン・ミッシェル :内海啓貴
アンヌ       :小南満佑子
ハンナ       :真島茂樹
ジャクリーヌ    :香寿たつき
エドワール・ダンドン:今井清隆
マリー・ダンドン  :森公美子


ストーリーです。


南仏サントロペ。今宵もゲイクラブ「ラ
・カージュ・オ・フォール」のネオンが
ともる。
 オーナーのジョルジュ(鹿賀丈史)と、
クラブの看板スターの“ザザ”ことアルバ
ン(市村正親)は、この20年間、同棲
し、事実上の夫婦として生活してきた。
アルバンはこのところふさぎこんでいて、
ショーの出番に遅れることもしばしば。
愚痴をこぼすアルバンとそのご機嫌をと
るジョルジュ・・・いわば二人は倦怠期
なのだ。やるせない気持ちのアルバンだ
が、鏡に向かって化粧をし衣裳をつけ、
偉大なる“ザザ”へと変身するのだった。
 ジョルジュには、24年前のたった一
度の過ち(?)から生まれた最愛の息子
ジャン・ミッシェル(内海啓貴)がいる。
以来、アルバンが母親代わりとなって手
塩にかけて育ててきた。そんなある日、
ジャン・ミッシェルが突然結婚を宣言。
その結婚相手が、よりにもよってゲイク
ラブを厳しく取り締まるべきだと主張す
る政治家ダンドン議員夫妻(今井清隆&
森公美子)の娘アンヌ(小南満佑子)で、
家族揃って挨拶に来ることになったので、
さあ一大事!


 ジャン・ミッシェルはジョルジュに、
一晩だけ《普通の家族》に見えるよう取
り繕ってくれるよう懇願し、そのうえ、
ずっと会っていない実の母親を呼んで欲
しいと頼みこむ。それはジャン・ミッシ
ェルを育ててきたアルパンにとってひど
い仕打ち。アルバンは深く傷つくが、ジ
ョルジュの説得によりジャン・ミッシェ
ルの頼みを受け入れ、叔父として同席す
るために男らしい立ち振る舞いのレッス
ン始める。
 ところが、実の母親が急きょ来られな
くなってしまい事態はさらに複雑に!!
アルバンはついに、女装して母親として
ダンドン一家と対面することを決意する。
アルバンの機転によって馴染みのジャク
リーヌ(香寿たつき)の店での食事会は、
ひとまず大成功に終わるはずだったのだ
が...。いつもの癖でアルバンがカツラを
取ってしまった!絶体絶命の危機!!
果たしてどうなる……?


コメントです。


オープニングは、幕の間からジョルジュ
役の鹿賀丈史さんが出てきてゲイクラブ
「ラ・カージュ・オ・フォール」のショ
ーが始まることを告げます。
そして、始まるゲイ達によるショー。
このショーが圧巻です。
本当にナイトクラブの豪華なショーを観
ているような素晴らしさ(観たことあり
ませんが)。


そして、感動的なのはジョルジュとアル
バンとの夫婦愛(?)の深さ。
ジョルジュとアルバンがレストランのテ
ーブルに座って、ジョルジュがアルバン
に語り掛けるように歌う「砂に刻む歌」
には、ジョルジュのアルバンに対する深
い愛が感じられて心を揺さぶられます。


ラストシーンのジョルジュとアルバンが
背中で手を組んで舞台奥へと去っていく
シーンは涙が出そうです。
市村正親さんと鹿賀丈史さんの二人の息
の合った熟練の演技と名曲の数々が本当
に素晴らしい作品です。


脇をベテランの今井清隆さん、森公美子
さん、香寿たつきさんが固めます。


今回から配役が変わったのが、ジャン・
ミッシェル役の内海啓貴さんとアンヌ役
の小南満佑子さん。


内海啓貴さんがフレッシュで好感の持て
る青年を演じていました。


小南満佑子さんは、公演プログラムを見
ると歌えるはずなんですが、ソロはなし。
そういう役なんですかね。
ところで、安蘭けいさんが出演していた
『蜘蛛女のキス』にも出演していたらし
い。
そんな役があったけ?と思ったら、相葉
裕樹さんが演じた政治犯の恋人役でちょ
とだけ出ていました。


フレッシュな二人の今後の活躍に期待で
す。


さて、ジャン・ミッシェルが言う「普通
の家族」とはいったい何なのでしょうか?
「普通の家族」、「普通の夫婦」、「普
通の人」。
「普通」って?
この作品は、「普通」でないゲイの人た
ちのお話です。
いまだに、ゲイに対する差別は偏見は社
会に根強く残っています。
同性婚もこの国では認められていません。


しかし、そんな偏見や差別の状況の中で
もたくましく、そして、愛情深く生きて
いくジョルジュやアルバンたちをこの作
品は描いています。
それを表すのが、1幕の最後でアルバンが
歌う「ありのままの私」。「私は自分の
世界を好きなように生きる!」と……。