壽々の雑記帳

観劇のコメントや日々の出来事・時事問題などについて綴ります。

月組バウホール公演『月の燈影』ライブ配信を視聴しました。

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、月組バウホール公演『月の燈影』
ライブ配信を視聴しました。


まず、公演プログラムからストーリーで
す。
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 江戸後期、幕府の市街拡大策に伴い
「江戸」に加えられた、大川(隅田川)
の東岸「川向う」は、新興地ゆえに町奉
行の手の及ぶところが少なく、岡場所や
賭場が人々を惹きつける歓楽街として、
独自の発展を続けていた。欲望が交錯し、
利益にたかる人々が群がり、そして故あ
って「江戸」にいられなくなった人々が
逃げ込む場所ーそれが「川向う」だった。
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 文政六年、夏。二番組町火消ろ組の平
人・次郎吉(彩海せら)は、ろ組の頭・
丑右衛門(悠真倫)と共に、新川大神宮
の境内で、川向うの通り者・伊七(真弘
蓮)や端唄の町師匠・文字春(天愛るり
あ)に、賭場の借金の形として連れ去ら
れそうになっていた火消仲間・ 伊之助の
妹・お橘(澪花えりさ)を助け出そうと
していた。次郎吉はなんとか思いとどま
らせようとするが、彼らは江戸の常識が
通用しない川向うの流儀を振りかざし、
ついには次郎吉に斬りかかる。その時、
一人の男が助け船を出す。彼は向両国の
通り者を仕切っている男で、通り者連中
からは幸蔵(礼華はる)と呼ばれていた。
幸蔵によって伊七らは追い払われ、お橘
も無事解放される。


 幸蔵は、元は自分の仲間であった伊七
が、なぜ自分の与り知らぬ悪事に手を染
めているのか、この一件に、川向う一帯
を仕切る地回りの淀屋(夏美よう)の関
与を感じ取り、真相を確かめるべくその
場を立ち去る。一方治郎吉は、幸蔵の姿
に今は行方のわからないかつての幼馴染
・幸の面影を見つけ、逡巡しながらも彼
の後を追って川向うへと入っていく。幸
蔵の姿を追った次郎吉は彼に声を掛ける
が、幸蔵は人違いだと取り合おうとしな
かった。幸蔵は次郎吉に、早く江戸へ戻
るように忠告し、淀辰を探して走り去る。
しかし、どうしても幸蔵のことが気にか
かる次郎吉は、巾着切りのお壱(花妃舞
音)から幸蔵は伊勢屋という料理茶屋へ
向かったと聞かされ、なおも後を追う。


 伊勢屋の座敷では、門前仲町の芸者・
喜の字(天紫珠李)が淀辰から持ちかけ
られた妾話を、淀辰の女房・ おゑん(梨
花ますみ)に断っている最中だった。そ
こへ幸蔵がいるものと思い込んだ次郎吉
が踏み込んでいくが、座敷には幸蔵も淀
辰もいなかった。一方、かつては淀辰の
下にいた幸蔵は、淀辰から再び手を組ま
ないかと誘われていた。淀辰に反発し袂
を分かった幸蔵はその誘いを断るも、淀
辰の「お前の手はもう汚れている」とい
う一言には、力なく跪くのだった。


 次郎吉は伊勢屋で知り合った喜の字会
いたさに、彼女の弟・新助(一輝翔琉)
のねぐらに頻繁に顔を出すようになって
いた。ある日、次郎吉は丑右衛門から、
幸とその姉・お勝(麗泉里)の名が人別
帳から消されていると聞かされる。幸は
自分の知らぬ間にお勝が父親の借金の形
に売られたことを知り、飛び出して以来
戻っていない。はたして幸蔵は幸なのか。
もしそうなら、なぜ川向うの住人になら
ざるを得なかったのか。そして、迎えた
富岡八幡宮の祭礼の夜、一つの事件が起
こる……。
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花のお江戸のお話で、祭りの場面や芸妓
の踊りや花火や何故か紫陽花の花など、
舞台が華やかです。


そこで生きた人々、ではなく、「江戸」
に住むことができなくなって「川向う」
で生きざるを得なかった人々の生き様を
中心に、物語は進んでいきます。


大野拓史氏の演出は、どちらかというと、
私から見ると、外れの作品が多いのです
が、この作品は、「江戸」と「川向う」
に住む人々の人情の機微を描いて秀逸で
す。


ところで、喜の字は、幸蔵の想い人かと
思いきや、次郎吉の想い人であったり、
次郎吉が鼠小僧になるのかと思っていた
ら、幸蔵が次郎吉の名を名乗って、盗賊
になっていたりして、予習をしていなか
ったので、予想の斜め上を行ってました。


次郎吉は、あの傷で最後に助かるのか、
と思っていたら、やっぱり、死んでしま
うし……。


主役の幸蔵を演じる礼華はるさんの立ち
姿がきりっとしていて、幸蔵という役に
良く似合っています。


一方の次郎吉は、いかにも人の良さそう
な感じで、やや、おせっかいなところが
ありますが、これも彩海せらさんにピッ
タリの役です。


何となく、幸蔵と次郎吉のW主役という
感じがしました。


そして、喜の字役の天紫珠李さん。
『応天の門』の藤原高子役は、ちょっと
?でしたが、今回の、芸妓役は良く似合
っていました。どこが違うんでしょうね。
化粧の仕方?


そして、専科のお二人。夏美ようさんと
悠真倫さんが、若手中心のこの舞台をし
っかりと支えてさすがです。 


難を言えば、礼華はるさんの歌が……。


後は、少し、説明不足かな?


幸蔵の姉がなんで自殺するのかよく分か
らないし(なんとなく想像つきますが)、
幸蔵がなんで鼠小僧治郎吉を名乗って、
盗賊になったのかも分かりにくいし(だ
からこの部分が要らないなんてコメント
が出て来る)……。