妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

S席3列目で観た月組公演『フリューゲル』!!(感想①)

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、月組公演『フリューゲル-君が
くれた翼-』『万華鏡百景色』3回目観
劇に、宝塚まで遠征してきました。


1回目の宝塚友の会先着順方式は、20列
目、2回目の宝塚友の会一般発売は、24
列目、そして、なんと、今回のぴあ貸切
公演は、一番端の方だけど、前から3列
目。1列目がないから、実質、2列目でし
た。


ただ、この席、なんとなく、座ったこと
があるな、と思っていたら、前回の花組
公演と全く同じ席。


貸切公演だから、もう少し、バラバラに
なっても良さそうだと思っていたら、隣
のおばさんが、プレミアム会員だから、
と言っていました。


確かに、私もぴあチケットのプレミアム
会員ですが、チケットが当選しやすいの
で、会員になっているのですが、席の場
所まで関係あるのでしょうか?
偶々だと思うんですが。


ともかく、その席で、客席降りの時には、
男役さんがすぐ隣に来てくれて、目も合
ったのですが、下級生に疎い私には、残
念ながら、名前が分からず。
まあ、いいか。


さて、本題に移ります。
今回は、お芝居の『フリューゲル』の方。


出演者別の感想を書こうかと思ったので
すが、なんとなく、難しそうな気がした
ので、全体のストーリーに沿って、コメ
ントしながら、出演者の感想も書きたい
と思います。


で、今回は、その第1回。(何回かに分
けることになると思います)


なお、全体的な話は、前回書いています
ので、ご参照ください。(↓)


まず、最初の場面は、1961年の夏の西ベ
ルリン。
まだ、少年だったヨナス(朝香ゆららさ
ん)とその母親エミリア(白雪さち花さ
ん)は、亡くなった父親の墓参りに行く
途中で、ドイツ連邦刑事局の刑事にエミ
リアは、第二次世界大戦中にナチスによ
るユダヤ人のホロコーストに加担した疑
いで逮捕されてしまいます。


母親がナチスのホロコーストに加担して
いたことを知ったヨナスは、その時から
母親を憎み、東ベルリンに住む叔父、叔
母に引き取られます。


このあたりのドイツ人のナチスに対する
感情は、日本人には理解されにくいので
はないでしょうか。


私も、小説とか映画とかで見聞きはする
のですが、本当に理解できているかとい
うことになると、ちょっと、自信があり
ません。


しかも、日本では、8月になると、東京
大空襲や広島・長崎の原爆の投下などの
被害者としての話は、数多く、報道され
ますが、日本が加害者であったという報
道は、ほとんどされません。


確かに、ナチスのホロコーストは、許し
がたい犯罪ですが、日本人も規模の違い
はあるものの、同じようなことをやって
いたはずです。


それは、ともかく、ヨナスは、その日以
来、ずっと、ナチスに加担した母親を憎
み続けています。


そして、東西ベルリンの間に大きな壁が
建設され、東西ドイツは分断され、お互
いに行き来することもままならない状況
になります。


さて、時が経ち、東ドイツ国家人民軍地
上軍の軍人となったヨナス(月城かなと
さん)の姿はアフガニスタンの戦場にあ
りました。
戦闘で負傷したヨナスを救ってくれたの
は、反政府派の革命戦士のアラン(瑠皇
りあさん)でした。
アランは、ソ連兵の一斉射撃で死んでし
まいますが、アランから恋人のサーシャ
(天紫珠李さん)を守ってくれと依頼さ
れたヨナスは、サーシャを自国へ連れ帰
ります。


瑠皇りあさん、退場早かったですね。ま
あ、他の場面でポーターとかやってます
が……。


さらに時代は移って、1988年秋の東ベル
リン。
(なお、物語の語り手は、桃歌雪さんで
す)
東西ドイツの交流を図るために西ドイツ
の歌手によるコンサートが企画されます。
そのコンサートの制作責任者兼警護の役
目を押し付けられたのは、文化庁に勤務
する大尉になったヨナス。


コンサートに出るのは、世界を席捲する
スーパーアイドルのナディア・シュナイ
ダー(海乃美月さん)。


海乃美月さんが「世界を席捲するスーパ
ーアイドル」というのは、ちょっと、設
定に無理があるような……。少なくとも
「アイドル」にはみえません。「西ドイ
ツの人気歌手」くらいで良かったのでは、
と思います。
まあ、日本にもコンサートに行くらしい
ですから、「世界的」なんでしょうけど。


ヨナスは、依頼を断ろうとしますが、こ
のコンサートを阻止するテロの犯行声明
が届いているということで、そんな事が
起きたら、第三次世界大戦になってしま
うとヨナスは役目を引き受けます。


テロリストが、犯行の予告をするのもど
うかと思いますが。
まあ、テロリストは、コンサート開催を
阻止出来れば良かったので、犯行声明を
出したのでしょう。


(以下、ネタバレあります)
そのヨナスの許へやってきたのが、国家
保安省職員のヘルムート・ヴォルフ(鳳
月杏さん)。省としてサポートすると告
げるのですが、実は、テロの予告をした
のはこの人。何としてでも、コンサート
の妨害をしようと策略します。


鳳月杏さん、やはり、こういう悪役が似
合いますね。在原業平みたいな役も出来
ますし。
本当は、こういう人が専科で活躍できる
と思うんですけどね。


ヨナスの部下役の四人(英かおとさん、
礼華はるさん、天愛るりあさん、白河り
りさん)が個性派揃いで、ちょっと、面
白いです。


さて、場所は、西ベルリン。ヨナス(青
い鳥)の指令を受け、ナディアのライブ
会場へやってきた東側スパイのミク( 彩
みちるさん)とマリア(羽音みかさん)。
コードネームは、チルチル・ミチルって
一体何なんだ?


何しにやってきたんだか分からない、こ
の二人の行動が、ちょっと面白いです。
よく、こんな頼りない二人を西ベルリン
に派遣したなヨナス。


次の場面は、東ベルリン郊外のアウグス
ト協会。
民主化運動に理解のあるフランツ神父
(夢奈瑠音さん)の許で東ドイツの民主
化を求める学生たちが夜毎集会を開いて
います。


今回、夢奈瑠音さんがなかなかいい役で
す。最後の方で、歌い出しで、ソロもあ
ります。


そこへ、民主化運動に反対するヘルムー
トがやってきて、フランツに学生たちを
集めて、民主主義の講義をしていないか
と詰問するのですが、偶々、ヨナスが現
れ、フランツを庇います。


実は、ヨナスは、アフガニスタンから連
れてきた反政府派の革命戦士のサーシャ
をフランツに匿ってもらっていたのでし
た。
なんで、サーシャが追われているかとい
うと、反政府派がアフガニスタンの戦争
で多くのソ連兵を殺害したからです。


ヘルムートがそれを嗅ぎつけたと知った
ヨナスは、サーシャを西側に脱出させる
計画を早く実行するように手配します。


ところが、ヘルムートは、学生たちの中
に自分の協力者のゲッツェ(彩海せらさ
ん)を潜り込ませ、動静を探らせていた
のです。


彩海せらさんが自分の行動が正しいのか、
苦悩するゲッツェを好演しています。


彩海せらさんのバウ主演も決まって、風
間柚乃さんに続くのが、礼華はるさんに
なるのか、彩海せらさんになるのか、今
後のこの二人の活躍が楽しみです。


ヨナスの母親への憎しみ、ヨナス、フラ
ンツとヘルムートの対立とテロの陰謀、
そして、サーシャの脱出というシリアス
な物語の中にもコメディ要素を入れて、
物語は進行し、いよいよ、東ベルリンに
問題児のナディアがやってきます。


というところで、②へ続きます。