妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

S席3列目で観た月組公演『フリューゲル』!!(感想②)

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


①の続きになります。


さて、東ベルリンのホテルに到着したナ
ディア・シュナイダー(海乃美月さん)。
早速、そのホテルについて不満を言いま
す。


そこへ、社団法人からの派遣という名目
でナディアのマネージャーになったルイ
ス・ヴァグナー(風間柚乃さん)がやっ
てきて、部屋に仕掛けられていた盗聴器
2個を見つけ出します。


そもそも、一般人にしては、この行動が
怪しい、と思うんですけどね。


さて、早速、ナディアの我儘が始まって、
シャンパンが飲みたいと言うとホテルマ
ンがやってきて、シャンパンを提供し、
同じく、タバコが欲しいと言うと、また、
ホテルマンがやってきて、タバコを提供
します。
もう1個盗聴器があるように思うのです
が……。


最後に、今度はスイーツが欲しい、と言
うと、今度は、ヨナス(月城かなとさん)
と4人の部下がやってきます。


で、ヨナスはナディアにコンサートの制
作責任者として、コンサートの曲目、歌
詞に注文を付け始めます。


そりゃ、あの曲目、歌詞は、東ベルリン
では無理だよね。


怒ったナディアは、あり得ない(「Nein
!」)と言ってヨナスに反発します。


ヨナスとナディアが互いに「Nein!」と言
って反発しあう歌の場面が面白いです。


いかにも厳格で生真面目な東ドイツの軍
人のヨナスと自由奔放な西ドイツの歌手
のナディアがちょっと、ステレオタイプ
の人物に描かれていて、東西ドイツの文
化・考えの違いを際立たたせています。


ナディアの我儘に困り果てたヨナスは、
マネージャーのルイスに、このコンサー
トがテロの標的にされていること、失敗
すれば、三度目の大戦にもつながりかね
ないと打ち明けます。
ルイスは、事の重大さを理解し、なんと
してもコンサートを成功させると約束し
ます。


そして、ヨナスが帰ろうとした時、ナデ
ィアがギターを爪弾きながら、ある曲を
歌い始めます。
その歌に足を止めたヨナス。
それは、幼い頃、ヨナスの母と一緒に歌
っていた「フリューゲル」。


「フリューゲル」とは、ドイツ語で❝翼❞
という意味(だそうです)。
この曲が、この作品の中で何度も歌われ
て、とても、印象的です。


さて、「フリューゲル」を通じて、意気
投合したヨナスとナディアは、夜の東ベ
ルリンの街へと車で繰り出します。


アフガニスタンとこの場面だけ、ヨナス
は別の衣装なんですが、他は、ずっと同
じ軍服です。


もう少し、変えてもいいのではないか、
とは思いますが……。
それは、『万華鏡百景色』の方で、とい
うことでしょうか。


そして、ベルリンの壁の監視塔へとやっ
てきた二人。あの塔に登ってみたいと言
うナディアですが、偶々、国境警備隊員
(彩音星凪さん)がヨナスの顔見知りで
あったため、塔の上に登ったヨナスとナ
ディア。


明かりの明るい方が西ベルリン。暗い方
が東ベルリン。
もし、鳥のように翼があれば、この壁を
越えられるのに。


そして、ヨナスはナディアに自分の生い
立ちを話し始めます。
今でも、ナチスのホロコーストに関わっ
た母を憎んでいると。
そんな、ヨナスにナディアは、コンサー
トを成功させることを約束します。


いよいよ、アフガニスタンの反政府派の
サーシャ(天紫珠李さん)を西側へと脱
出させる決行日。
ヨナスも車を出して、脱出に協力します
が、その動きは、ヘルムート(鳳月杏さ
ん)が潜り込ませたゲッツェ(彩海せら
さん)によって知られてしまいます。


追い掛けるヘルムートたちと逃げるヨナ
スたち。


後ろの方の席で観ていた時には、なんと
も思わなかったのですが、前から3列目
(実質2列目)で観ると、もの凄い速さ
で狭い銀橋を走り抜けていくのが、よく
分かります。
まあ、怪我だけはしないようにして欲し
いかなと。


追い込まれたヨナスは、サーシャを連れ
て、ホテルのナディアの部屋に逃げ込み
ます。


驚くナディアですが、咄嗟に、ヨナスの
恋人のふりをして、ヘルムートたち追手
を騙して、ヨナスとサーシャを援けます。


ヨナスやフランツ神父(夢奈瑠音さん)
らの協力の下、サーシャは、無事、西側
への脱出に成功します。


このようにして、東側から西側への脱出
を試みて成功した人は、実は、それほど
多くはありません。


多くの人がベルリンの壁を超えようとし
て射殺されました。


国同士の対立がなんの罪もない多くの人
の命を奪う。それは、この物語の時も今
も変わっていません。
それを忘れてはならないでしょう。


だからこそ、せめて、心の中に❝翼❞が必
要なのでしょう。
お互いの心の❝壁❞を飛び越える翼が。


③へと続きます。


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