妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

雪組宝塚大劇場公演『ボイルド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』を観劇!!

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


一昨日は、雪組宝塚大劇場公演 『ボイル
ド・ドイル・オンザ・トイル・トレイル』
『FROZEN HOLIDAY』を観劇に宝塚大劇
場公演まで遠征してきました。


その時の記事は↓にあります。


劇場に入って、最初に向かったのはレビ
ューショップ。


期間限定商品を買おうと思ったのですが、
「一切れ御栗タルト」は既に品切れ。


「宇治抹茶チーズケーキ みどりの散歩道」
も最後の2個でした。


11時公演は、休演になったのに、お土産
だけは、しっかりと、買っていかれたの
ですね。


席は16列目の右側通路脇。


客席降りがあって、私のすぐ横にも男役
の方が。しっかり、目は合ったのですが、
悲しいことに名前が分からない。


でも、振付なんて、どこかへ吹っ飛んで
しまいました。


以前は、客席降りのある公演は、どこに
誰が来たかを調べてネットに載せてくれ
る親切な方がいらしたのですが、コロナ
渦からでしょうか、そんな方もいなくな
ってしまいましたね。


で、いつも通り、公演プログラムからス
トーリー紹介です。
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 19世紀末のロンドンでは、新聞や雑
誌が一般大衆向けの最大メディアであり、
その販売部数を巡って各社は鎬を削りあ
っていた。


 そんな時代、そんな場所で。医者であ
り作家でもある男~高名な作家でもなけ
れば、一流の医者でもない男~がいた。
男の名はアーサー・コナン・ドイル(彩
風咲奈さん)。


 ロンドンの中心部から少し離れたアッ
パー・ウィンポール街。そこにドイルの
開業した医院があった。だが、診察室に
いるのは彼一人。今日も午後4時に至る
まで一人の患者も無いが、それを気にす
る風でもなく熱心に机に向かい、原稿用
紙に何やら書きつけている……と、玄関
のチャイムが鳴る。患者がやってきたか?
と身構えるドイルの前に姿を現したのは
かれの妻ルイーザ(夢白あやさん)だっ
た。


 ドイルが熱心に書いていたのは自信作
の英国歴史小説だ。しかし、原稿はこと
ごとく雑誌社から送り返され、開封し、
読んだ痕跡さえも無い。大衆受けのくだ
らない三文小説を濫造してばかりの雑誌
社に怒りがこみ上げるドイルは、自分が
その気になればもっと面白いものを書け
る!と息巻く。そんな夫に「あなたなら
できる!」と確信を持って励ますルイー
ザ。彼女に後押しされたドイルは、”誰よ
りも面白いもの”を書く事を決意するのだ
った。


 しかし、何を書けば大衆に「受ける」
のか……悩みつつ、迷い込んだ夜の街で
暴漢たちに襲撃されていた保守党議員バ
ルフォア卿(華世京さん)とその友人た
ちを、ドイルは自慢のボクシングで救出
する。助けられたバルフォアは、彼らの
属する「心霊現象研究協会」の会合にド
イルを誘う。そこでドイルは霊媒師エス
テル・ロバーツ(沙羅アンナさん)によ
る降霊術や、ミロ・デ・メイヤー教授
(縣千さん)による催眠術といった奇跡
を目にする……。


 バルフォア卿は友情の証として、元は
メイヤー教授のものであったという万年
筆をドイルに贈る。自動書記に使われて
いたとも伝わる魔法のペン……ドイルは
半信半疑で万年筆を持ち帰る。


 その翌日、早速ドイルが魔法のペンを
試す!……が、何も起きない。やはり自
分には霊感が無いのだと項垂れるドイル
の前で、突然ペンが光り輝き、空中に浮
かび上がった!驚き、慌てるドイルの前
に見覚えのない人物が姿を現す。シャー
ロック・ホームズ(朝美絢さん)と名乗
るその男は、ドイルが以前書いた長編小
説「緋色の研究」の主人公だった。現実
に存在するはずのない架空の人物が何故
目の前に?混乱するドイルに、ペンを取
り、一緒に新しいストーリーを書き始め
ようと彼の創作意欲を引き出すホームズ。


 ホームズに導かれるまま、書き上げた
第一作「ボヘミアの醜聞」は、これもホ
ームズのアドバイスに従って「一番売れ
ていない」雑誌ストランド・マガジンへ
持ち込まれることになる。「ボヘミアの
醜聞」は雑誌の目玉となる連載小説を探
し求めていたストランド・マガジン編集
長ハーバート(和希そらさん)の即決で
掲載が決まる。


 1981年7月号、「シャーロック・ホー
ムズ」の連載が始まる。続く、8月、9月、
10月号……回を重ねるごとにホームズは
人気を呼び、一大センセーションを巻き
起こしていく。それはこれまでのドイル
の人生を一変させてしまうほどの大きな
渦であった。


 「ホームズ」によって、作家としての
地位と名声、富を手にしたドイルは医院
を畳み、専業作家として生きていくこと
を決意する。今こそ書くべき時が満ちた
のだ……ホームズではなく、念願の歴史
小説を!


 しかし、世間では「ホームズは実在し
ている!」「実はドイルはその代理人に
過ぎないのだ!」などと言い出すホーム
ズ・ファンが現れるほど、止まるところ
を知らない熱狂は加熱している。これ以
上、ホームズを書きたくない……だが書
かねばならない現実。そうした状況に、
ドイルは自分の人生がホームズに呑まれ
ようとしている恐怖に襲われる。このま
までは夫の人生はホームズに支配されて
しまう。ドイルの危機を見かねたルイー
ザが、彼を救うべく遂に動き出す。彼女
の口から飛び出したとんでもない提案と
は……。


 ドイルとルイーザは、自分たちの人生
をその手に取り戻せるのだろうか?
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アルセーヌ・ルパンは、全作読んでいな
いけれど、シャーロック・ホームズは全
作読んでいるというホームズ好きの私に
とっては、その作者であるコナン・ドイ
ルが主人公という話は、嬉しくもありま
したが、一抹の不安もありました。


なにしろ、彩風咲奈さんは、新作ばかり
演るけれど、駄作も多いので。


何で、2作目でこれから書く作品のホーム
ズの変装した姿が10人も出て来るのか?
なんて素朴な疑問は蹴とばして、正直、
今作は本当に面白かったです。


メインキャラの4人(コナン・ドイル、
ルイーザ・ドイル、シャーロック・ホー
ムズ、ハーバート)は、ほぼ、当て書き
の感じで、それぞれの持ち味が活かされ
た作品になっています。


父親はアル中で、母親が生活を支えるも、
妹2人はポーランドへ出稼ぎ。コナン・
ドイル自身も医者として開業するも、患
者が来ない。これ幸いと、売れもしない
歴史小説の執筆を続けている。


貧乏暮らしであるはずなのに、妻ルーイ
ザは、楽天的で、そんな夫を支え、明る
く振舞う。


ひょんな事から手に入れた魔法のペンを
手に取って呪文(「ペンは剣よりも強し」
のラテン語だそうです)を唱えると、ア
ラ不思議、コナン・ドイルの作中の人物
シャーロック・ホームズが自分の分身を
10人引き連れて姿を現し、自分の小説を
書くようにドイルに勧める。


一方、売れない雑誌「ストランド・マガ
ジン」の編集長ハーバートは、何倍部数
のグラフが地を這っているのに、連載小
説について、一切、妥協を許さない。


といった具合に、それぞれ、強烈なキャ
ラを見事に演じています。


特に、コナン・ドイルとその作中の人物
のやり取りが面白く、話に引き込まれ、
途中、インチキ降霊術、催眠術のエピソ
ードも取り入れ、話はテンポ良く展開し
ていきます。


観終わって、楽しかった、と思える作品
ですが、残念ながら、宝塚大劇場公演は、
その約7割が消滅してしまいました。


東京公演は、無事、完走出来るといいの
ですが……。