妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

経営トップの寵愛を受け、いつしか構造的パワハラの温床にー47NEWS

今日は、壽々(じゅじゅ)です。


よっぽど、宝塚ネタはおいしいらしく、
次から次へと新しいメディアが参入して
きますね。


今度は、47NEWSですか。
共同通信の記事ですね。
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「聖域」と化したタカラヅカ 経営トッ
プの寵愛を受け、いつしか構造的パワハ
ラの温床に 宝塚歌劇団が舞台を守るた
めに必要なことは何か


俳優の女性(25)の急死をきっかけに、
宝塚歌劇団内部の苛烈な上下関係が明る
みに出た。歌劇団から依頼を受けた外部
弁護士らが調査し、11月に公表した報
告書は女性へのいじめやハラスメントは
「確認できなかった」と結論付けている。
しかし、関係者へ取材を進めていくと、
調査結果とは異なる証言が複数寄せられ
た。


「絶対的な上下関係に基づく構造的なパ
ワハラの温床となっている」


 事実だとすれば、こうした時代遅れの
慣行が続いたのはなぜか。歴史をひもと
くと、阪急電鉄の一部門に過ぎない歌劇
団が、創業者や経営トップの寵愛を受け
「聖域」と化した実態が浮かんできた。
華やかなショーの陰で独善がはびこって
いなかったか。多くのファンを持つ歌劇
団が悲劇を生まずに公演を続けるため、
必要なことは何か。
(共同通信=宝塚歌劇団問題取材班)


 ▽歴代トップの強い思い入れ


 宝塚歌劇団がスタートしたのは1914年。
創立したのは阪急電鉄の創業者小林一三
だ。小林は経営する鉄道の沿線で百貨店
を開業するという私鉄の新たなビジネス
モデルを確立し、東宝映画も設立した。
幅広い事業を手がける傍らで「歌劇作家」
としての顔も持ち、歌劇団のために28
本の作品を制作した。


 宝塚歌劇100周年に刊行された公式
書籍には、こんな記述もある。


 「一三翁が特に深い愛情を持って取り
組んだのが、宝塚歌劇だった」


 経営トップの強い思い入れは、親会社
の阪急阪神ホールディングス(HD)で
大きな影響力を持つ角和夫会長に受け継
がれた。


 角氏も歌劇団に曲を提供していた。ペ
ンネームは「岸一眞」。2010年から
タカラジェンヌを養成する宝塚音楽学校
の理事長を務め、今年12月1日付で退
任している。


 一時、歌劇団の上場が検討された際に
壁となって立ちはだかったのも角氏だ。
2006年、阪急HD(当時)の筆頭株主だ
った投資会社が、歌劇団や東宝のコンテ
ンツを管理する新会社を設立して上場さ
せる案を構想した。


 しかし、当時阪急HDの社長だった角
氏が断固反対した。「上場すればつぶれ
ることもある。90年以上続いた宝塚を
そうするわけにはいかない」


 ▽阪急は”パトロン”、「歌劇団には口
  を出さない」


 あるグループ関係者は、阪急阪神HD
内での歌劇団の位置付けを分かりやすく
説明してくれた。「阪急の人は皆、歌劇
団のことが大好き。普段から観劇にも行
く。一方、阪神タイガースはそれほどで
もない」


親会社はパトロン的なスタンスを取って
いるという。


 「阪急阪神HD内では歌劇団が一部門
という認識はないと思う。劇場を運営す
るのは事業でも、歌劇団は事業ではなく
芸術。自分たちのコンプライアンス(法
令順守)やガバナンス(企業統治)を適
用すべきだとは考えていないように見え
る。
パフォーマンスの場を提供し、困っ
ていたらお金も出すが、歌劇団自体に口
を出すものではない。パトロンのような
ものだと思っているのだろう」


 歌劇団は長年、赤字体質が続いた。と
ころが、1974年に「ベルサイユのば
ら」が大ヒット。これを皮切りに、1990
年代以降は親会社の支援も受け、今や阪
急阪神HD内でも有数の収益源となるま
でに成長した。


 在阪証券アナリストはこう指摘する。


 「ブランド力があり稼働率も高い。グ
ッズ販売やライブ配信なども好調で、H
Dの中でも安定的な稼ぎ頭の一つだ」


 ▽OGや家族が証言するパワハラ、洗
  脳


 亡くなった女性の遺族側は「ヘアアイ
ロンを額に当てられた」「稽古中に怒号
を浴びせられた」などのいじめやパワハ
ラを訴えていた。しかし、外部弁護士に
よる調査報告書はこれを否定。「長時間
の活動による心理的負荷の強さ」を指摘
した。


 ただ、関係者が取材に証言してくれた
内部事情は、遺族側の主張と重なる。


 ある歌劇団OGが暴露した中身はすさ
まじい。


 「どんなに暴言を吐かれても上級生に
は反論できず、謝り続けるしかない。家
族などに相談するのも『外部漏らし』と
呼ばれご法度。厳しさを超えて懲罰的な
パワハラの構造がある


 匿名を条件に取材に応じた現役タカラ
ジェンヌの家族が問題視するのは「2年
制の音楽学校で厳しい稽古を乗り越えた
卒業生のみが歌劇の舞台へ進む」という
特殊なシステムだ。


 「10代で学校に入り、度を越した厳
しい指導や労働環境が当たり前だと洗脳
されてしまう。上級生から人格否定のよ
うな暴言を吐かれ続けても、睡眠時間が
足りなくても、自分が悪いからだと思い
込み、自分を責めるようになってしまっ
ている」


▽グループ全体の企業風土


 10月に問題が発覚して以降、阪急阪
神HDはこの事案に関する記者会見を開
いていない。歌劇団理事としての角氏や
阪急電鉄社長としての嶋田泰夫氏らの監
督責任については、調査報告書を公表し
た会見の中で言及し、それを受ける形で
それぞれ役員報酬の一部返上を発表した。
それでも、親会社としての責任には触れ
ておらず、遺族側が求めている再調査に
も消極的だ。


 歌劇団は2カ月にわたり休止していた
本拠地・宝塚大劇場での公演を12月1
日に再開した。収束を図りたい意向が見
え隠れするが、幕引きにはほど遠い。 


 11月下旬、歌劇団の労務管理に法令
違反の疑いがあるとして、兵庫県西宮市
の西宮労働基準監督署が立ち入り調査に
踏み切った。遺族側は、「過労死ライン」
を超える長時間労働があったと主張。労
基署が2021年に制作スタッフの労務
管理を巡って是正勧告をしていたことも
明らかになった。俳優の急死で公になっ
た歌劇団の内部事情は労働問題に発展し
つつある。


 それでもなお、阪急阪神HDは対応を
阪急電鉄と歌劇団に委ねている。


 ガバナンス(企業統治)に詳しい社会
構想大学院大の白井邦芳教授(リスク管
理)が指摘するのは、トラブルを抱えた
子会社に対し、親会社が静観し続ける弊
害だ。


 「歌劇団の理事長だけが辞任し、親会
社の責任は明確にされていない。子会社
で人権に関わる問題が起きれば、グルー
プ全体の企業風土も同じだと思われる。
阪急阪神HDは普段から歌劇団のガバナ
ンスを管理する必要があった


 ▽パフォーマンス追求と心身安全の両
  立


 痛ましい事案を受け、歌劇団側にも現
状を見直す動きがある。組織風土の改革
に向け、秋から全ての俳優と音楽学校の
生徒を対象に聞き取りを続けている。年
内にも外部有識者らによる委員会を立ち
上げ、提言を取りまとめる方針だ。こう
した取り組みがどれだけ実効性を持つか、
注視する必要がある。


 芸術やスポーツなど一流のパフォーマ
ンスを追求する世界では、往々にして厳
しい稽古や規律が存在する。一方、歌劇
団は上場企業の一部門でもあり、株主か
ら投資を受ける。赤字の時代からここま
で成長を遂げた背景にそれらの恩恵があ
ったことは否定できず、出資者が納得す
る水準の透明性が求められる。


さらに言えば、上場企業であろうとなか
ろうと、芸術の追求と引き換えに人権を
無視しても良いという論理は成り立たな
い。
技量の向上と心身の安全をどう両立
するべきか。閉鎖的になりがちな世界で、
指導する側の暴走を第三者が抑える仕組
みも必要になるだろう。あらゆる芸事に
身を置く人が、追い詰められて命を失う
ことがなくなるよう、改めて考えるきっ
かけにしたい。
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どうも、阪急阪神ホールディングスにお
ける宝塚歌劇団の扱いに問題があるよう
です。


そうだとすると、これは根が深いですね。