妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

月組公演『応天の門』の主な登場人物について紹介②ー「白梅」

今日は、壽々(じゅじゅ)です。


今回は、彩みちるさん演じる「白梅」に
ついてです。


まず、ウィキペディアには、こう書かれ
ています。
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森本の翁に仕えた女房。翁の元で漢学を
学び、翁の死後は道真に仕える。識字に
長け、道真父子の書倉の整頓・管理を任
されている。玉虫姫の一件を業平から知
らされている高子から玉虫姫とも呼ばれ
ている。宣来子とは読書を通じて友人関
係となり、時には道真との恋の相談も聞
く。他人の筆跡を真似る特技がある。
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原作の人物紹介には、こう書かれていま
す。
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都を騒がせた「玉虫姫」事件で道真たち
と出会った女房。道真にその学才を買わ
れ、事件の解決と共に菅原家に仕えるこ
とに。
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「森本の翁」は、原作の第4話、第5話
の「都を賑わす玉虫の姫の事」に出てく
る盲目の老学者です。その孫娘が玉虫姫
です。
 多分、この話は森本の翁が配役にいな
いため、宝塚の舞台には出てこないと思
うので、ネタバレになることはないとい
うことで書きますと、玉虫姫はとっくに
亡くなっていて、森本の翁に仕える女房
達が役割分担して、玉虫姫を生きている
かのように見せかけます。その一人が白
梅で、玉虫姫に寄せられた恋文の返書を
書く役割をしていました。
その森本の翁が亡くなって、白梅は、道
真に学才を買われて、菅原家に仕える事
になります。
で、菅原家は学者の家柄ですから、書庫
に沢山の書物があります。白梅は、その
書庫の管理を任されている、という事で
す。


「高子」とは、藤原高子のことで、昔、
在原業平と駆け落ち未遂した人です。
藤原良房の姪で藤原基経の妹です。
清和帝の許に入内する予定になっていま
す。
人物相関図に点線が在原業平との間に引
いてあって、「過去に縁あり」と書かれ
ているので、この駆け落ち未遂の話は、
宝塚の舞台に出てきます。


「宣来子」とは、島田宣来子で、道真の
師の島田忠臣の娘で道真の許嫁です。
宣来子も忠臣も配役に名前がありせんの
で、宝塚の舞台には出てきません。


で、白梅ですが、架空の人物です。
ただ、なぜ、「白梅」なのか?
これは、お気づきでしょう。「飛梅」で
す。


「飛梅」は、太宰府天満宮の神木として
知られる梅の木の名称で、樹齢1000年を
超えるとされる白梅です。「本殿前の左
近(本殿に向かって右側)に植えられて
おり、根本は3株からなる。」
とのことですが、私は、一度だけ、太宰
府天満宮に行ったことはあるのですが、
「飛梅」は見たかな?記憶にないです。


「飛梅伝説」とは、こんな話です。
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左大臣・藤原時平との権力争いに敗れた
菅原道真公は、突然の左遷によって、家
族との別れを惜しむ間もなく、京都を離
れることになります。その際、梅をこよ
なく愛していた菅原道真公は、自宅にあ
った梅の木に別れを告げる歌を詠みまし
た。


「東風吹かば 匂ひおこせよ 梅の花 
あるじなしとて 春な忘れそ」


「東風(こち。春風のこと)が吹いたら、
香りをその風に託して大宰府まで送り届
けておくれ、梅の花よ。主である私がい
ないからと言って、春を忘れてはならな
いよ」という意味のこの和歌には、菅原
道真公の梅に対する愛情と、梅の木を置
いて行かなければならない悲しさや寂し
さが込められています。その想いは梅の
木にも伝わっていたようで、主とともに
ありたいと願った梅の木は、一晩にして、
都から菅原道真公が住む大宰府の屋敷の
庭へ飛んできたと言います。
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前回の紀長谷雄とこの白梅が脇役となっ
て、道真と業平に関係することで、話が
面白くなっています。


人物相関図では、白梅も道真の「取り調
べを手伝う」となっていますので、「百
鬼夜行」の話の方にも出てきそうですし、
おそらくこれも出そうな藤原多美子の清
和帝への入内の話でも、原作通りなら、
白梅も活躍しそうです。


原作では、白梅は髪の毛がボサボサで見た
目が悪いのですが、彩みちるさんの白梅は
どんな感じになるのでしょうか?