妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

望海風斗さんが魔女役の『INTO THE WOODS』とメリル・ストリープ魔女役の映画版を比べてみました!!

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


今回、舞台版『INTO THE WOODS』を日生劇場と
梅田芸術劇場メインホールで各1回、合わせて2回観
劇しましたが、以前、観たことがある映画版とどう
も印象が違うように思ったので、映画版のブルーレ
イをレンタルして、比べてみました。


おおまかなストーリーは同じですが、大きな違いは
魔女役。
オスカー女優であるメリル・ストリープの演技はさ
すがでしたが、歌も圧巻でした。
それよりも、舞台版の望海風斗さんの魔女のあのふ
ざけた演技がなく(オスカー女優にあの演技はさせ
られないと思いますが)、作品全体の構成がしっか
りしたものになっています。


映画版の監督は、ロブ・マーシャル。舞台の振付師
としても活躍していますが、監督作としては、
『シカゴ』『SAYURI』『NINE』『パイレーツ・オブ
・カリビアン/生命の泉』などがあります。


このうち、『シカゴ』(レニー・ゼルウィガー、リチ
ャード・ギア、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ出演)
と『NINE』(ダニエル・デイ=ルイス、ペネロペ・
クルス、ニコール・キッドマン、ソフィア・ローレン
らが出演)はミュージカル作品です。


『INTO THE WOODS』は、ロブ・マーシャルが監督
した3作目のミュージカル作品になります。


ブルーレイのいいところは、特典映像としてメイキング
が収録されているところ。
ロブ・マーシャル監督だけでなく、作詞・作曲のソンド
ハイムのコメントも収録されています。
ということは、ソンドハイムもこの映画の制作に関与し
ているということ。


映画版の主な配役は、以下のとおりです。(かっこ内は
主な出演作)


魔女 - メリル・ストリープ(『ディア・ハンター』、
   『ソフィーの選択』、『プラダを着た悪魔』、
   『マンマ・ミーア!』、『マーガレット・サッ
   チャー 鉄の女の涙』)


パン屋 - ジェームズ・コーデン


パン屋の妻 - エミリー・ブラント(『プラダを着た
      悪魔』、『メリー・ポピンズ リターン
      ズ』)


シンデレラ - アナ・ケンドリック(『マイレージ、
      マイライフ』)


シンデレラの王子 - クリス・パイン『スター・トレ
         ック』、『ワンダーウーマン』)


赤ずきん - リラ・クロフォード<子役>


ジャック - ダニエル・ハッスルストーン<子役>


ジャックの母 - トレイシー・ウルマン


ラプンツェル - マッケンジー・マウジー


ラプンツェルの王子 - ビリー・マグヌッセン


オオカミ - ジョニー・デップ(『シザーハンズ』、
     『パイレーツ・オブ・カリビアン』、『スウ
     ィーニー・トッド 』)


上映時間は約2時間ですから、舞台版に比べて、ストーリ
ーを一部カットしているわけですが、歌の部分はほぼ同じ、
というより舞台版より少し多い感じがします。


多分、舞台版のあのドタバタしている場面がない分、短い
時間で収まったものと思われます。
それでも、作品のテーマは、しっかり押さえられています。


歌については、メリル・ストリープが元々はオペラ歌手志望
で訓練を受けていたというだけあって、抜群の歌唱力。


ジョニー・デップは、この作品の前に同じソンドハイム作詞・
作曲の『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』
に出演していて、そこそこ歌えます。


子役2人も歌が上手かったですが、他の人の中にはミュージカ
ルが今回初めてという人もいます。


そのことで、この映画が批判されたということは、聞いたこと
がありません。


興行収入は、日本だけでも23億8000万円。さすが、ディズニ
ー作品です。


今回、映画版と比較して改めて思ったことは、監督・演出の
違い。


一部の出演者の歌のことが批判されていますが、出演者の歌
よりも、むしろ、熊林弘高氏の演出による一部の出演者の演
技で作品が台無しになってしまったという感じがします。
特に、魔女役のドタバタ演技は目に余るものがあります。
なんで、こんな演出をしてしまったのか理解に苦しみます。


私も数多くのミュージカル作品を観てきましたが、これはち
ょっと酷いと言わざるを得ません。
コメディ・ミュージカルだったら、今回の演出でよかったか
もしれません。
しかし、映画版を観ると、この作品は、コメディ・ミュージカ
ルではありません。もっとシリアスなテーマを持った作品です。


念のために繰り返しますが、私が酷いというのは一部の出演者
の歌のレベルことではありません。
せっかくのミュージカルの傑作だけに今回の上演作は残念に
思います。


なるほど、「普通のミュージカル」ではありません。