妻が宝塚ファンで……。

ミュージカル観劇や日々の時事問題などについて綴ります。

ル・シッフルが世界制覇を目指す?宙組公演『カジノ・ロワイヤル』(やや辛口かな?感想)

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


今回は、芹香斗亜さん演じるル・シッフ
ルについてです。


公演プログラムで、演出の小池修一郎氏
が「ことに敵役ル・シッフルが自らの使
い込みをギャンブルで穴埋めしようとす
るだけのセコいキャラであるのはつまら
ないと思い、ボンド作品に出て来る世界
制覇を目指すラスボスの役割を付与して
いる
」と述べています。


やっぱり、2番手が悪役ですね。
他の方も書いてみえますが、なんとなく、
『シャーロック・ホームズ』のモリアー
ティ教授に印象が重なります。
モリアーティ教授もホームズとの決闘で
崖から落ちて、で、二人とも生きている
んでしたっけ?


今回のル・シッフルも崖から落ちるんで
すが、その前に、SMERSHのイリヤ( 鷹
翔千空さん)に銃で撃たれていますから、
生き返ることもないでしょう。(ル・シ
ッフルがボンドではなく、SMERSHに殺
されるのは、原作通りですが、ここは、
ボンドに変えても良かったのでは?)


ところで、ル・シッフルの世界制覇です
が、世界制覇ではなく、ロシア帝国を再
興(ネオ・ロマノフ帝国)して、その皇
帝に自分がなる、という感じでしたが…。


そもそも、カジノで儲けたり、ロマノフ
家の遺産で世界制覇が出来るとも思えま
せんし……。
頼りがちょっと頭のおかしいドクトル・
ツバイシュタイン(若翔りつさん)の新
兵器だけというのでは、とても世界制覇
どころか、ロシア帝国の再興もできない
と思うのですが……。
なんとなく、ボンド物としては、まだ、
スケール感が小さいというか……。


ボンドに対する拷問は、結局、行われな
いまま、逃げ出されているし。
どうせなら、もう少し、スケール感の大
きい、芹香斗亜さんのいかにも悪役って
ところを観たかったですね。


何で、芹香斗亜さんがラスプーチンで登
場?という場面も要らなかったように思
います。
真風さんの過去に出演した作品へのオマ
ージュなんだろうとは思いますが、何も
『神々の土地』のラスプーチンでなくて
も良かったのでは?
愛月ひかるさんのラスプーチンが迫力の
演技だっただけに、そのイメージが損な
われたように思います。


「トンデモボンド」でもいいから、ル・
シッフルが世界征服を企み、それをボン
ドが阻止するというような、もう少し、
スケール感のある「シリアス」な作品に
していれば、印象も違ったのに、と思う
と、宙組の皆さんが頑張っているだけに、
やはり、残念感が拭えません。

何かあるよね、星組全国ツアー公演の最速ノーカット放送。

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


星組全国ツアー公演『バレンシアの熱い
花』『パッション・ダムール・アゲイン
!』の「タカラヅカ・スカイ・ステージ」
での最速ノーカット放送が決定したとの
お知らせが、昨日、宝塚のHPに載ってい
ました。


日時は、5月21日(日)21:00~23:45で
す。


公演は、昨日、千秋楽を迎えたばかりで
す。
普通は、公演が終了して1カ月で放送さ
れるということは、余り、聞いたことが
ありません。
ブルーレイの売り上げにも影響すると思
われますし……。


絶対、何かあると思うのですが……。

月組に誰か組替えしてくるとしたら?候補者を考えてみた。⑤

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


前回の「月組 風間柚乃さんが地味に思う
のは私だけ?④」の続きになります。


月組に誰か組替えしてくる場合の候補者
について、今回は、考えてみたいと思い
ます。


まず、鳳月杏さんが月組のトップになら
ないで、2番手で退団すること、風間柚乃
さんが次の月組トップ候補者ではないこ
とを前提にします。


今まで、他の方のブログで異動の対象と
して、書かれていて、私が見たのは、以
下の方々です。
(水美舞斗さんは、まだ、花組ですが、
専科異動が決まっているので、専科とし
ました)


①花組 永久輝せあさん
②雪組 朝美絢さん
③雪組 和希そらさん
④星組 天華えまさん
⑤宙組 桜木みなとさん
⑥宙組 瑠風輝さん
⑦専科 水美舞斗さん


まず、①の花組の永久輝せあさんは、2番
手の水美舞斗さんの専科異動で花組2番手
昇格が確実ですから、もう、異動はない
でしょう。次期花組トップ候補です。


②の雪組の朝美絢さん月組落下傘説が、
今回の話の発端ですが、前に見た通り、
2番手退団ならいざしらず、雪組に残った
方が早くトップになれる可能性が高いの
で、月組落下傘は、ほぼ、ないと考えら
れます。


③の和希そらさんはどうでしょうか?
和希そらさんが宙組から雪組に組替えし
たのは、2021年12月10日付。
一方、暁千星さんが月組から星組に組替
えしたのは、2022年5月27日付。
半年ほどのギャップがありますので、和
希そらさんが直接、宙組から月組へ異動
ということは、なかったのだろうと思い
ます。
和希そらさんとしては、雪組でトップに
なるよりは、月組に異動した方が早くは
なるとは思われますが……。
ただ、和希そらさんが月組に異動すると、
今度は、雪組が月組に似た状況になりま
す。


④の星組の天華えまさんは、月組次期ト
ップ候補と考えるには、ちょっと、弱い
ですか。
パレードの階段降りで極美慎さんに抜か
されていますし……。
ただ、月組体制の補強と考えれば、十分
に可能性はあると思います。


⑤の宙組の桜木みなとさん。芹香斗亜さ
んの任期にもよりますが、このまま、宙
組に残った方が良さそうです。
したがって、桜木みなとさんの異動は、
多分ないでしょう。


⑥の宙組の瑠風輝さん。芹香斗亜さん、
桜木みなとさんの次となると、トップに
なれるのは、大分、遅れることになりそ
うです。下には、鷹翔千空さん、風色日
向さんが控えています。
瑠風輝さんをトップにと劇団が考えるの
であれば、瑠風輝さんが組替えの第一候
補でしょう。


最後の⑦の専科の皆美舞斗さん。どうし
てもトップにというのであればともかく、
専科から月組公演に出演の方が良さそう
です。


以上、候補者とされている方々を見てき
ましたが、第一候補は、宙組の瑠風輝さ
ん、というのが私の今のところの見解で
す。
瑠風輝さんなら、大分、月組体制も補強
できそうです。
芝居の月組の伝統も守れそうですし……。


⑥に続くのか?

愛、愛、愛、愛!!!の星組全国ツアー公演ライブ配信を視聴しました。

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


昨日は、星組全国ツアー公演『バレンシ
アの熱い花』『パッション・ダムール・
アゲイン!』のライブ配信を視聴しまし
た。


やっぱり、ライブ配信ありましたね。そ
して、ブルーレイも発売されるそうです。


ライブ配信が我が家の晩飯時にかかると
いうのが、ちょっと、という感じですが、
まあ、これは仕方ないですね。


ところで、ライブ配信を観ていて、前回
の記事の誤りを三つも見つけてしまいま
した。


一つ目は、プロローグで、ギターの調べ
で始まるのは、お芝居の方ではなく、シ
ョーの方でした。
二つ目は、ショーの「ノスタルジア」の
場面で、舞空瞳さんが歌うのは、『トゥ
ーランドット』ではなく、同じプッチー
ニの『ジャンニ・スキッキ』でした。で、
凪七瑠海さんが登場したところで、曲が
『トゥーランドット』に変わります。
後半だけを覚えていて、全部同じ曲だと
思ったんですね。
三つめは、同じ場面で、瀬央ゆりあさん
が取り出したのは、銃ではなくて白い手
袋でした。白い手袋を投げつけて、決闘
を申し込むという所ですね。すぐに暗転
するので、勘違いしたということです。
以上が前回の記事の訂正です。


で、前回の感想の補足みたいな感じにな
りますが、まず、お芝居の方。
改めて観ると、盗賊のドン・ファン・カ
ルデロ役の天飛華音さんがお話のかなり
前の方(第3場)から登場して、結構、
活躍しているんですね。盗賊ではありま
すが、レオン将軍のために活躍して、フ
ェルナンドの復讐の手助けをするという、
とってもおいしい役でした。
天飛華音さんは、ショーの方でも活躍し
ていました。


天華えまさん主演の公演と3分割して、こ
れだけの公演のできる今の星組の層の厚
さを感じました。
うーん。月組に一人欲しい。


天飛華音さんは、もう、若手とは言えな
いですが、若手の活躍が観れるのも、別
箱公演ならではです。


お芝居の舞台はスペインのバルセロナで
すが、ショーの方も、全体としてスパニ
ッシュ。
宝塚というとどちらかというと、シャン
ソンのイメージがありますが、私は、ス
パニッシュのショーの方が好きですね。
男役さんが格好いいですし、娘役さんも
フラメンコの衣装を着たりして華やかで
す。


今回のショーも全体としては、ラテン風
の華やかなショーになっていました。
衣装は、加藤真美さんですね。


瀬央ゆりあさんが中心になって踊る場面
で、瀬央さんの隣で踊っている美稀千種
さんの姿が見えて、おや、組長さん、ガ
ンガンに踊っている、と思ってしまいま
した。


『Le Rouge et le Noir~赤と黒~』よりも
こちらの方がいいとブログで書かれてい
る方もみえて、まあ、人それぞれなのか
な、と思います。


『Le Rouge et le Noir~赤と黒~』は、
今日が千秋楽、全国ツアー公演は、明日
が千秋楽です。
どちらも、無事に完走出来そうですね。


さて、星組は、次は問題の(?)『1789
-バスティーユの恋人たち-』です。
私のチケットは、確保済みですが、果た
してどうなるのでしょうか?





前回の記事です↓




潤花さんのヒロイン感が薄い?宙組公演『カジノ・ロワイヤル』(やや辛口感想③)

今晩は、壽々(じゅじゅ)です。


さすがに真風涼帆さんの退団公演だけあ
って、真風さんの魅力全開の『カジノ・
ロワイヤル』なのですが、同じく、今回
の公演で退団する宙組トップ娘役の潤花
さんのヒロイン感が薄いと感じたのは、
私だけでしょうか?


この宙組公演『カジノ・ロワイヤル』の
年代設定は、公演プログラムによると、
1968年になっています。
一方、原作の『カジノ・ロワイヤル』が
発表されたのは、1953年です。
間に、15年間もの開きがあります。


その理由は、フランスで5月革命が起き
たのが、1968年5月だから。
つまり、このフランスの5月革命のエピソ
ードを入れるために、年代設定を1968年
にしたという訳です。


この5月革命に絡む登場人物がトップ娘
役の潤花さんと宙組3番手の桜木みなと
さんです。
桜木みなとさんは、パリ学生連盟のリー
ダーのミシェルで、その恋人が潤花さん
のデルフィーヌ。二人はデモに参加し、
警官に追われているところを、デルフィ
ーヌをボンドが助けます。


「冷戦」でさえ、解説が必要なのに(ち
なみに、「冷戦」は、他の方のブログに
書かれているような民主主義対共産主義
ではありません)、「五月革命」は、さ
すがに私でもピンときません。
小池修一郎氏の趣味で入れたエピソード
としか思われず、話をよりつまらなくし
ています。


そこへ、取ってつけたようなデルフィー
ヌがロマノフ家の後継者というポジショ
ン。カジノでボンドに大敗を喫した(ら
しい)ル・シッフルが今度は、ロマノフ
家の財産を狙います。


どうも、小池氏は、このロマノフ家の話
をメインにしたかったようです。
以下、公演プログラムから。
==================
以前、MI6の前身であるSISに興味を覚え
調べていて、ロシア革命時にニコライ2世
の従兄弟・ジョージ5世が皇族救出の為に
密使を送り込んだと言うエピソードを読
み、劇化を考えたことがある。その企画
は実現しなかったが、今回の話のバック
ボーンとした。
==================
ということです。


そして、今更、意味不明のロマノフ家の
戴冠式。(遺言で家長がデルフィーヌに
決まっているのなら、ただのセレモニー
にしか見えません)


で、その戴冠式にミシェルが招待される
はずもなく、代わりに招待されるのは、
何故か、ボンド。


一方で、ミシェルは、ル・シッフルが経
営するクラブ「メゾン・ダムール」に潜
む間に、ル・シッフルの思想に感化され
ていきます。


で、デルフィーヌは、ミシェルという恋
人がありながら、戴冠式を前にして、次
第にボンドに心惹かれていきます。


というのが、第1幕。


第1幕、というより第2幕の途中までは、
ミシェルが一応、デルフィーヌの恋人で
あるため、ボンドの恋人、つまりヒロイ
ンではない、という形になっています。


これが、デルフィーヌのヒロイン感を薄
めている原因ではないかと思われます。


その後は、ル・シッフルの古城から二人
でパラシュートで脱出したり、一生忘れ
られないようなキツーイ息が止まるほど
(でしたっけ)、長い
キスをしたりして、
ヒロイン感は出て来るのですが、結局は、
再会することを約束して、「Aieu」と言
って二人は別れていく。


何か、トップコンビ退団作品なのに、二
人の関係があっさりし過ぎに思えるので
すが……。


原作のヴェスパーの方がヒロイン感があ
るだけに、この展開は少し残念です。


やっぱり、「五月革命」のエピソードは、
不要だったのでは……?
そうすれば、ミシェルとデルフィーヌが
恋人という設定も必要なく、そのまま、
デルフィーヌが自分をル・シッフルの手
から守ってくれるボンドに恋をするとい
う形にスッと入れたと思うのですが……。